記事の閲覧
| <<戻る | 写真をクリックすると拡大写真が見られます。 |
| 業界アンテナ／2007年7月号 |
2023年11月18日から、発行から１年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 樹脂製の陳列用かごに注目
ベーカリーを運営していく上でなくてはならないもののひとつに陳列かごやトレーなどの籐製品がある。最近では、ポスト籐製品として、樹脂製のかごなども普及しつつあるという。ベーカリーや菓子店の備品などを専門に扱う籐裕の田中裕廣社長に話を聞いた。
|
| よりよい商品をリーズナブルに | |
|
――最近のベーカリー用籐製品について、何か新しい動きはありますか？
田中 エコロジーに沿った製品という流れに加えて、「より衛生的なものを」というお客様の声が強くなっています。 ――具体的にいうと・・・。 田中 樹脂素材を使って、籐かごのような感じに編んだ製品があるんです。これだと、籐が裂けて、パンに混入したりしないし、たわしなどでごしごし洗えるので、籐かごよりも衛生的なんです。 当社は、ドイツのザリーン社の日本法人、ザリーン・ジャパンと契約を結び、「洗えるかご」として販売していますが、大きな手応えを感じています。 ザリーン社の製品をそのまま販売もしますが、日本のニーズを吸い上げる形で、商品を企画し、ザリーン社に当社のオリジナル商品として製造を委託しているものもあります。 ――籐裕さんの商品の供給体制について聞かせてください。 田中 使いやすい製品をできるだけリーズナブルな価格で提供したいという考えから、様々な商品調達のチャンネルを持っています。 当社のメインの工場は、中国広東省にあります。その工場に、当社が企画した製品を製造してもらいます。当社が販売する籐製品の約８割はこの工場で製造したものです。そのほか、インドネシアでも作っています。 ――籐裕さんの商品で、最も自信があるのは何ですか？ 田中 発酵かごですね。衛生的に使っていただくために、ステープルというステンレスの留め金を使用しています。 ――籐裕さんの主な販売先はどこですか？ 田中 主に問屋さんや、業務用のベーカリー備品などを販売する小売店などへの卸販売をメインに行っています。問屋さんなどの販売業者と協力して、商品を普及させていくために、当社の商品を仕入れて販売しても、十分利益が取れるように最大限の努力をしています。 ――ベーカリーや菓子店用の籐製品などのほかにどのような商品を扱っていますか？田中 私どもは、定期的に海外に出向き、日本のベーカリーや菓子店で使える新しい製品を探しています。 最近では、星をいくつも重ねたような形の焼き型に目をつけ、クリスマス用ケーキの焼き型として販売しましたが、万単位の規模のヒット商品となりました。 ――そのほかに最近のヒット商品はありますか？ 田中 シフォンケーキ型があります。一見、何の変哲もないシフォン型なのですが、実は、通常のものより高さが２〜３センチ高いんですよ。 販売店の方やエンドユーザーと接している過程で、「もう少し背の高いシフォンケーキが焼ける型があればいい」というニーズがあることが分かったんです。 いざ、探してみると、意外とないんですね。そこで、当社のネットワークを活かして、独自に作ってもらったんです。 現在、業務用の製菓製パン道具店などに卸しています。 ――今後の展開について聞かせてください。田中 この業界も、新規参入なども相次ぎ、競争が激化しています。 当社としては、先ほども申したのですが、洗えるトレーやかごの販売にさらに力を入れていきたいと思っています。発砲ポリプロピレンを使用して製造しているザリーン社のものに加えて、樹脂製のものについても、現在試作を重ねています。いずれも、籐に似せて作った素材を編んで作る製品で、見た目は籐製品のようで、しかも、丸洗いができるので、衛生的です。 ただ、籐製品と違って、例えばパンをのせて運んだりする場合に、まっすぐの形を維持する力が弱いという問題があります。ザリーン社に、鉄の枠をつけて編んでもらうように頼みましたが、それでは、エコロジーの観点から無理だということでした。 残念ではありますが、逆に会社の確固としたポリシーに感銘を受けました。 金属の枠を別に作って、そこに樹脂製やＰＰ製の編みトレーをのせる方式を現在検討中です。 いずれにしても、柔軟な発想で、ベーカリーや菓子店に少しでも役立つ製品を開発し、提供していきたいと考えています。 籐裕 創業は２００２年。田中裕廣社長は、ある会社のベーカリー・菓子店向け籐製品販売部門の総責任者として、およそ１０年間、指揮を取った経験を持つ。その会社が同部門を廃止したのを機に独立した。現在は、ベーカリーや菓子店向けの籐製品などの企画販売を行うほか、菓子の焼き型など様々な製品を扱っている。問い合わせの電話番号は、０３‐５６１０‐４１７１。 |
2023年11月18日から、発行から１年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
