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お店拝見/2003年5月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
国道沿いのたんぼ4枚 - 高原のパン屋さん | |
面した通りは、国道141号線。取材中、華やかなスポーツカーかたぴたぴ通りすぎた。「すぐそこの松原湖高原でスポーツカーのイベントをやっているんですよ」。オーナー品田宗久さんはそういった。長野県南佐久郡小海町の「高原のパンやさん」。「たんぽ4枚」(約600坪)を買って1993年にオープン。観光地か点在する高原地域でもうひとつの観光スポットになった。
住所 長野県南佐久郡小海町大字都豊里2098-1 電話 0267-92-2121 営業時間 午前7時午後7時 定休日 なし |


地元の仲間とショッピングモール。最初は工場拡張のつもりだった | |
品田さんは1949年に父親が創業したべ-カリーの2代目で、1988に家業を継いだ。当時は、JR小海線・小海駅近くに店があった。電車で30分ほどの清里の様々な店などへパンを販売する、卸が中心のべ-カリーだった。
「清里が流行っていた頃は8割以上が卸でしたね。景気はよかったですよ」と品田さんは振り返る。 1987年、小海駅に直結したショッピングモール、アルルを品田さんが中心メンバーのひとりとなって作った。 品田さんのべ-カリーの他、生花店や書店、文具店など7店が集まって共同組合を組織し、経営母体になった。品田さんが理事長を務めたこともある。品田さんのべ-カリーは人口6000人の町で年商5000万円を売り上げた。 1993年に、現在の本店である「高原のパンやさん」を出店。あるコンサルタントは「5000万円の年商は、商圏的に見て限界を超えている」と、近くに新たに出店しても意味がないことをほのめかした。「小海駅近くの手狭になった工場を移転して拡張し、生産能力を上げられればいいと思つったんです。売上げは、さらに伸びれば儲けもの、というぐらいの気持ちでした」(品田さん)。 |

人を呼ぶための努力。観光スポットのひとつになった | |
現在の本店がオープンしたのはちょうど春休みの時期。オープン初日に、500人の来店客があった。
新聞の折り込みチラシ1万枚を入れた効果が出た。 5月の連休になると、再び売上げが跳ね上がった。 品田さんは、「本店を出す以前のお客様以外にも対象となるお客様はいると確信しました」と話す。 地元に住む人たち以外の顧客が多いことから、比較的日持ちのするパンが求められる。また、「高原のくるみレーズン」(5個人り300円)や「高原のりんごパン」(5個人り250円)など、小物が5個程度入った袋物がよく売れるのが特徴だ。 品田さんは「ある程度日持ちがする商品と、例えば焼き込み調理のようにその日のうちに食べてもらう商品とを分けて考えています。大きくいって発酵時間の長いパンは日持ちがします」という。 当時は、ちょうどドウコンが普及しだした時期。また、生地玉冷蔵の技術などを利用して、製パンの工程をある程度コントロールできるようにもなっていた。 「お客様の来店の具合を見ながら、生地玉冷蔵で追っかけがきく状態にしておいて、だめだったら老麺にすればいい、という考え方でやっています」(品田さん) 品田さんは、同べ-カリーがある小海町の仲間達と、同町発展のために様々な活動を行っている。 例えば、「こうみの森の小人、プチリッツア」。 北欧の民話に基づいて、品田さんも属する「小海熟」のメンバーらが物語を作った。 町おこしの目的で、同町内の商店などで、小海町のイメージキャラクターとしてPRしている。 高原のパンやさんの一角にも、プチリッツアをイメージキャラクターにした焼き菓子コーナーがある。 「小海町の観光スポットが発展することが、そのままウチが発展すること」という品田さんだが、すでに同べ-カリー自体が、小海町の観光スポットになっている。 |
紅こうじの紅色が鮮やかな食パン | ||||||||||||
紅こうじブレッド
紅こうじの紅色が鮮やかな食パン。天然酵母を使用した差別化商品。1斤300円。 【配合%】
【工程】熱湯処理=強力粉10%と水20%(沸騰させたもの)を合わせて軽くミキシングし(L1~2分)、1日おく。ミキシングL3分M4分、捏ね上げ温度22~24度C、発酵18度C15~16時間、分割490グラム×3、ベンチタイム1時間、成形=ナマコ形にして3斤棒の食型に3つ入れる。ホイロ35~36度C80%1時間30分、焼成(リールオーブン使用)200度C35分 |
高原の白樺をイメージした人気商品 | ||||||||||||||||||||||
高原の白樺
白樺の木をイメージした商品。人気商品のひとつ。1つ380円。 【配合%】
【工程】ミキシングL5分(バター投入)L5分、捏ね上げ温度28度C、フロア々イム1時間、分割380グラム、ペンチタイム30分、成形=バゲット形、ホイロ33度C75~80%30分、焼成上火200度C下火200度C30分(スチーム注入) ※ホイロは強力粉をふって布とり。乾ボイロに近い状態。 ※焼成は直焼き。 ※ホイロ後、横方向にクープを入れる(焼成後白樺の木のように見えるように) |
見た目にインパクトがあって、しかもおいしい! | |
かぼちゃあん&キャロットパン
牛乳やバターを練り込んだリッチな生地を使用。のばして、かぽちゃあんとにんじんチップを巻きこみ、3つ編みにしたものを、型に入れて焼成。見た目も鮮やかだし、健康イメージもあって、よく売れている。350円。 フレッシュバター 調理パン生地にビス生地をかぶせて焼き上げたパンにカットを入れ、バターのスライスを挟んだ商品。バターは厚めにスライスし、溶けにくくする。1つ120円。 |
パック入りのカリントドーナツ。スナック感覚で食べられる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
カリントドーナツ
さくっとした食感が特徴の製品。パック入りで販売。1パック200円。 【配合%】
【工程】ミキシングL1分M2分、捏ね上げ温度26度C、成形=(1)生地を1センチ厚にのばして、6センチ幅にカット(2)さらに1センチ幅にカットして、長さ6センチ、幅1センチ、厚さ1センチにする。フライ=180度C3分 ※フライ後▼グレースをかける。 ※生地を捏ね上げてすぐに成形する。成形後、冷蔵庫1に保存しておけば、1~2日程度はもつ。 ※バラエティーとして生地に黒ゴマを8%配合した製品もある。 ▼グレース 【配合グラム】
【作り方】(1)水(230グラム)にゼラチンを入れてふやかす(2)[1]に塩と水あめを加えて、湯煎にかけてゼラチンを溶かす(3)[2]に沸かしたお湯(1400グラム)と粉糖を加えて混ぜ合わせる |
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