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デジタルベーカリー/2003年4月号

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扱う商品をランク付け - セレクトパンヤBtoB

3月3日、欧州産高級輸入パン卸専門店「セレクトパンヤBtoB」がオープン。
ヨーロッパのパンメーカー5~6社の主にホイロ後冷凍パンおよそ100品目を
インターネットを利用して販売する。想定している顧客はカフェやレストラン、ホテル、ペンションなど。
個人での購入も可能。注文数量の下限はなく、1個でも購入できる。
ウェッブサイト、セレクトパンヤBtoB(http://www.selectpanyabtob.com/)を立ち上げ、
同サイトから注文を受ける。発注するためには、会員になることが必要。

セレクトパンヤBtoB
http://www.selectpanyabtob.com/
セレクトパンヤ
http://www.selectpanya.com/
ルセット
http://www.recette.co.jp/
東京都世田谷区三宿1-19-16
03-5432-5308
営業時間 午前3時~午後7時まで
土日のみ営業



商品の詳細なデータを掲載。相性がいい料理も紹介

セレクトパンヤBtoBのトップページ
運営責任者の田中明子さんは、「高級天然酵母パン」専門店、ルセットを1999年12月、東京・三宿に出店。およそ半年後にインターネットだけで注文を受ける高級パン「@(アット)シナモン」(2600円)を発売した。さらに「@バニラ」(3600円)、「@ベリー」(1800円)の2品目をネット限定商品として発売し、現在では、@バニラ600個の受注が3分で完了するほどの人気ぶりだ。
一方で、2001年には、欧州からの輸入パン専門ネットショップ、セレクトパンヤをオープン。主に素焼き冷凍パン(パーベイク製品)を販売し、「ヨーロッパの空気までも感じさせる本場のパン」と好評を得ている。
今回オープンしたウェッブショップ「セレクトパンヤBtoB」では、取り扱う全品目について、サイズや重量、生産国、消費期限などのデータを提供するほか、▼食感▼味▼香りの3つのカテゴリーについて、合計で9項目の評価軸を作り、それぞれについて、5段階評価を行っている。例えば、食感のカテゴリーの「噛み応え」は、「さっくり」から「もっちり」へといたる評価軸で、評価が1だとさっくりとした食感で、評価が3の場合は、さっくりともっちりの中間の食感、5の場合はもっちりした食感が特徴のパンであることを意味する。食感のカテゴリーにはこのほか、「噛み応え」「口解け」「生地の気泡」などがある。
味のカテゴリーは、「酸味」「塩味」「小麦の味」の3項目、香りのカテゴリーは、「生地の香り」(「イースト臭」から「小麦の香り」へといたる評価軸で、1の評価が最もイースト臭が強く、5の評価は小麦臭が最も強い)の1項目だ。
「100品目以上のパンの試食をして、評価をしていくのは大変な作業でした」と田中さんは振り返る。スタッフらと共に、冷凍生地を解凍して焼成し試食をする、という日々が延々と続いた。
パンだけを食べるのではない。評価項目には、「最適な食べ方」や「組み合わせの良い料理」などもあって、バターやオリーブオイルなどを塗って食べたり、様々な料理といっしょに食べたりもした。
最もよい生地の管理方法、解凍、焼成方法は何かを知るために、すべてのパンについて解凍、焼成などのテストを行った。気候の違いや、オーブンなど器具の違いなどから、メーカーが推奨している方法と必ずしも同じではない場合もある。こうした情報もサイトで詳細に紹介している。
田中さんは「一般消費者の方々もパンの品質についてシビアですが、パンによってお金を得ようとする業者の方々は、別の意味でかなりシビアなんですよ。例えば、どんな状況でどんな料理といっしょに出すかで、求めるパンはまったく違ってきます。数多くの項目について、詳細なデータを提供する必要があるんです」と話す。
セレクトパンヤBtoB独自の評価をはっきりと打ち出すため、商品のメーカー名は非公開だ。独自に付けた品番と商品名、生産国などで商品を表す。



埋もれていた需要があった。徹底した効率化を図る

取り扱い商品を紹介するページ。実際に注文するには、会員登録をする必要がある。


セレクトパンヤBtoBが扱うパンを上手に焼く方法を紹介したページ。焼成温度や時間、焼き具合の目安などについて、詳しく説明している。同じページに、扱うパンを使った様々な料理のレシピも数多く紹介している。
扱う商品の選定にもかなりの時間をかけた。
「商品は商社を使って輸入させていますが、いままで輸入されてきた業務用の冷凍パンなどの食材は単価が安いため、ケース単位でしか販売をしないところが、ほとんどでした」と田中さんはいう。
例えば地方の小さなペンションとかで、近くにおいしいベーカリーもないし、パン作りの技術もない、かといって使用量が少なくて、業者から仕入れることもできない、といったケースはかなり多いと思いました」。
そこにビジネスチャンスがあると田中さんは考えた。
利益率は低いという。インターネットで注文を受ける販売方法は、メールのやりとりや梱包、発送作業などでかなりの手間がかかる。
しかも、ほとんどが冷凍流通の商品のため、商品の管理はさらに大変だ。
「薄利多売に持っていかないと厳しい面はあります。営業経費を押さえて、効率的に運営しなくてはなりません」
梱包のダンボール箱は極力リサイクル品を使い、種類ごとの梱包は行なわない。
同じ段ボール箱に様々な商品が梱包される。
また、各商品の焼成マニュアルやカタログは印刷物の形では用意せず、すべてサイトに掲載。
「紙の焼成マニュアルやカタログが必要な場合は、サイト上の各商品詳細ページを印刷してください」とお願いしている。
電話、FAXでの注文は受けず、サイト上の注文システムを利用してもらうことで、効率化を図っている。
無償サンプルの提供も行っていない。商品の味を確認したい場合は少量を購入してもらう。
営業担当者もおかない。
事務処理の手間が多い掛売もせず、運送会社の代引きサービスを利用して決済する。



こだわりの商品
安易に大量生産に走らない。新しい価値を作り出す

セレクトパンヤBtoB運営責任者の田中明子さん


@シナモンなどネット限定商品を販売するルセットのサイト
●一問一答
▼パンのネットショップを繁盛させる秘訣は何ですか?
田中 インターネットでは元来こだわりのある商品や専門性の高いショップが流行る傾向があります。こだわり抜いた本当によい商品は、生産の効率が悪く、大量生産ができないため、なかなか一般の流通にはのれません。消費者にとっては探すのが大変でした。
その点、ネットの場合は、検索機能によって欲しい商品が簡単に見つかります。消費者はインターネットで買い物をする場合、一般に売っているものではなく、より安いものか、他では買えないようなこだわりの商品を探す傾向にあります。ただ、こだわりの商品も売れるからといって、質を落として大量に作ってしまうと、それだけで悪評が広まり、あっという間に売れなくなってしまうでしょう。
一番大切なことは、売れるからといって安易に質を落として大量生産をしないことです。それが消費者との信頼関係に結びつきます。
▼サイト作りで大切なことは何ですか?
田中 見やすくわかりやすいこと、文章に読み手にとっての温度差がないことなどでしょうか。特に商品説明に関しては、かなり気を使います。言葉によって連想するイメージがひとりひとり違うのは仕方ありませんが、可能な限り違いを少なくする努力をしています。
ごくまれに、「思っていた味と違った」などというメールをいただくこともありますが、そうした場合は、その商品について誤解を生んだと思われる記述を探し出し、即座に訂正します。
サイトのページ作りには、かなりの労力を使います。立ち上げの時期は不眠不休の状態が続きますね。
ページのデザインも、とても重要です。デザイナーに作らせたと思われるサイトで、更新を自分でやって、その部分だけ異質な感じがしているのをよく見かけます。確かに温か味はあるのでしょうが、それならすべて自分で作って、コンセプトをはっきりさせないといけないと思います。
新聞紙に包んだ石焼いもは、温か味がありますが、新聞紙で包装された高級ブランドのバッグは、変だと思いますから。
▼今回、セレクトパンヤBtoBを立ち上げた理由は何ですか?
田中 ヨーロッパの素焼き冷凍パンを販売するセレクトパンヤを運営してきて、レストランのシェフの方などから、業務用として販売してくれたら嬉しい、という声をたくさんいただいたんです。フレンチやイタリアンなどのシェフの方々は、自分が作った料理と共においしいパンを出したいと思っていても、なかなかふさわしいパンが入手できないことが多いということが分かりました。かといって、パンを作る技術は持っていないし、設備もない、というケースが多いようなんです。
それと、パンを仕入れて販売するわけですから、需要があればあるだけ供給できる、という点も魅力でした。パンを製造販売するルセットでは、作れる量が限られますので、需要に対して供給が追いつかないのが現状なんです。
▼田中さんにとって、メディアとは何ですか?
田中 インターネットはある意味で閉ざされた世界だと思います。多くの人にサイトを見てもらおうと思ったら、メディアはとても重要です。
新しいコンセプトを打ち出し、実践していれば、メディアは取り上げてくれます。
しかし、メディアは多くの人との出会いのきっかけを作ってくれるだけで、次にまたサイトを見てくれるか、パンを注文して、リピーターになってくれるかは、サイト自体の魅力、商品自体の魅力にかかってくるわけです。

原価計算女王
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