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連載/2023年11月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
ChatGPTは目から鱗のパン屋生き残り策を示してくれる! - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(77) | |
人類のIT化を大きく前進させた感がある自然言語対話AIモデルのChatGPTですが、日本はその導入に比較的積極的であるようです。各地の自治体でChatGPTを業務の効率化に利用しようという動きが活発で、とにかく新しいことはしたがらないと言われていた日本の役所も、捨てたものではないと少しだけ見直した、と感じる今日この頃です。
では、役所ではどのような利用の仕方をしているのでしょうか? 具体的な例として、神奈川県横須賀市のケースを調べてみました。同市では、システム開発会社のトラストバンクが自治体専用に開発したビジネスチャットツール「LoGoチャット」にChatGPTの機能を連携させることで、同市のすべての職員が、日々の業務で使っている「LoGoチャット」の中で、ChatGPTを利用して、文章の作成、文章の要約、誤字脱字のチェック、アイデアの創出などが簡単にできるようにしているそうです。 ChatGPTを開発したOpenAI社は、APIという仕組みを使って、様々なアプリケーションにChatGPTの様々な機能を比較的安価に導入できるようにしています。 横須賀市のこの取り組みの意味合いを分かりやすく表現するとしたら、驚異的に物知りで、文章の作成や要約、校正、企画書の作成などを、世界中の誰よりも早く、それなりに正確に行ってくれる有能なアシスタントを、職員全員に一人ずつつけた、といったところでしょか? 考えてみれば、これはすごいことではないでしょうか。 それなら、横須賀市だけにいい思いをさせておく手はありません。リテールベーカリーも、この人類の英知の結晶を最大限に活用したらいいと思います。ChatGPTは、公式サイトにアクセスして、メールアドレスを入力して、アカウントを作れば誰でも無料で利用できます。アカウント作成に要する時間はほんの数分です。 試しにChatGPTに「パンを生地のミキシングから製造して販売するパン屋にとって、厳しい経営環境が続いています。生き残りを図るポイントは何ですか?」と直球の質問を投げかけてみると、①品質とユニークさの強調②マーケティングとオンラインプレゼンス③地域社会への貢献④カスタマーエクスペリエンスの向上⑤効果的なコスト管理⑥メニューの多様化⑦持続可能性への取り組み⑧積極的なフィードバック収集、の8つのポイントを示してくれました。 ざっと見ていくと、①の「品質とユニークさの強調」は、あなたが日々励んでいる手作りから生まれる高い品質を維持することと、あなたの店でしか買えないオンリーワンのパンであることが重要だということです。②の「マーケティングとオンラインプレゼンス」は、ソーシャルメディアやウェブサイトを、製品や店舗の宣伝と、店舗の情報発信の手段として活用しすることが重要であるということです。 ③の「地域社会への貢献」は、あなたの店が立地する地域に貢献できるような企画を行うことが大事だということを言っています。本誌がこれまで取材してきた繁盛ベーカリーの中にも、例えば地域の子供たちを集めてパン教室を開くなどの地域貢献活動を行っているベーカリーは少なくありません。④の「カスタマーエクスペリエンスの向上」は、文字通り、来店客に、パンを購入すること以上の楽しさを提供したり、心のこもった接客で、来店客の心を和ませたりすることの大切を指摘しています。⑤以下の指摘も、それなりに的を得ていると言えないでしょうか。 「そんなことは、言われなくてもわかっている」と言ってしまえばそれまでですが、このようにしてまとめてリマインドしてもらえれば、改めて何が重要なのかが、頭の中で整理できます。 ChatGPTは、何かをしようとするときのアイデア出しの役割も担ってくれます。リテールベーカリーの生き残り策のアイデアを探している時に、例えば、洋服のショップの生き残り策について聞いてみるのもいいかも知れません。あなたの店でも使える、目から鱗の生き残り策を提案してくれるかも知れません。(RO) |




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