記事の閲覧
<<戻る | 写真をクリックすると拡大写真が見られます。 |
お店拝見/2021年8月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

同店の厨房は約20坪とかなり広い。厨房を広くとれることは、綿貫さんが物件探しで特に重視していたことだった。 「動きやすいということと、自分一人ではなく複数で製造作業を行いたいと思っていたからです。また、自分が習得してきたことを、誰かに教えたいとか弟子を育てたいという気持ちが強くなってきましたね。まだ勤めていたときは、自分が頑張ればどうにかなるという考えでしたが、変わってきました。それに今38歳ですが、自分はあと何年パンが作れるのだろうとも考えます。動けるうちに、色々と挑戦しておきたいと思っています」(綿貫さん) 開業当初はいなかったが、現在は製造と販売それぞれ一人ずつ社員を雇っている。そして社員の技術が着実に上がっていることを実感しているという。 「社員が腕を上げてくると、自分のやりたいことも増えてくるので、全体的にレベルが上がっていきますね。販売担当の社員を採用することは、念願だったんです。パティスリーで働いていたときに、販売の社員が数人いたのを見ていた経験が大きいかもしれません。販売は安心して任せられる存在であって欲しいと思っています。一所懸命作ったパンを、あとはお願いしますと言って託せるということは、製造の立場からすると、とても心強いんです」(綿貫さん) また将来的に、販売所を別の場所に新設できたらと考えている。 「製造は自分の目が行き届く範囲で行っていきたいと考えているので、厨房のない販売だけを行う店舗を今後、つくれたらと思っています。こうしたことは、信頼できる販売の社員がいるからこそ、考えられることだと思っています」(綿貫さん) |

デニッシュの新たな販売方法を編み出す
同店の販売方法は、セルフサービス形式。そのため、コロナ禍の現在は陳列するパンの袋詰めが欠かせない。袋に入れておくことで、「トングとトレーがあまり汚れなくなって掃除が楽」(綿貫さん)というメリットもあるそうだが、繊細な食感が持ち味の「ミルティル」や「オランジェ」などのデニッシュは、袋詰めすることで湿気による悪影響を受けやすい。 「デニッシュは、そもそもクリームなどのトッピングで湿気やすいので、トッピングは一度に行わず、なくなり次第小分けに行うようにしています」(綿貫さん) 綿貫さんは、デニッシュの販売方式にひと工夫を加えた。陳列台には袋に入れた見本用を置き、客が見本用をレジに持っていくと、厨房横のラックで袋に入れずに保管しておいたものと引き換えるという方法をとることにした。 「販売方法を変えるに当たっては、複雑さができるだけないように、そしてお客様の手間が増えないようにすることを考えました。また、商品数が多いので、商品名を覚えたりするのは大変ですし、セルフサービスは続けていきたいです。お客様が今まで通り楽しんで買い物していただけたらいいと思っています」(綿貫さん) SHOP DATA 店名:ブーランジュリー コトン 住所:〒354-0024 埼玉県富士見市鶴瀬東1-9-29メゾンクール102 電話:049‐293‐9498 営業時間:午前9時~午後7時 定休日:日曜、月曜 品揃え:パン80~90品目、菓子約15品目 スタッフ:製造常時2~3人、販売常時1~2人 店舗面積:売り場約6・5坪、厨房約20坪 日商:平日約15万円、土曜約25~30万円 |

この記事の読みどころ
●人生を変えた「トラン・ブルー」のパンのエッセンスを地元の人たちに伝えたい。
●自分が習得してきたことを、誰かに教えたい気持ちが強くなってきた。 ●製造は自分の目の届く範囲で製造の正社員と共に行い、販売は信頼できる販売の正社員に任せる。 |

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。