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AOITORIベーカリーの充実したサンドイッチ |
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AOITORIベーカリーのオーナーシェフ、芝田智弥さん |
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FUKUSUKEの人気商品 |
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FUKUSUKEのオーナーシェフ、武田直樹さん |
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プース ド シェフの外観 |
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プース ド シェフのオーナーシェフ、得居則広さん |
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愛媛県の松山市に行く機会があり、以前から行きたいと思っていた3軒のパン屋さんを訪問してきました。
3店舗に共通するのはスタッフの笑顔、バラエティー豊かな商品構成、お洒落な店舗デザインなどで、自店のコンセプトが明確に示されていて、繁盛しています。
パン業界を担う、新世代の大きなパワーを感じることができて、とても充実した旅になりました。
丁寧に作られた質の高いパン 2014年1月に開業した「AOITORIベーカリー」は、市内を走る路面電車に乗り、道後公園駅から徒歩4~5分の場所にあります。
オーナーシェフの芝田智弥さんは、都内の有名洋菓子店で修業した後パン職人の道を歩み始めます。
「初めて食べたバゲットは、衝撃を受けるほどおいしかった。そのバゲットができるようになるにはとても時間がかかりますが、やりがいのある仕事です。バゲットのおいしさを広め、日常的に食べてもらえるようにしたいと思っています」と芝田さんは語ります。
味わい深いフランス産小麦粉の「バゲットクラシック」やホップ種で作る「パン・ド・ミ」を中心に、食事パンが充実しています。対面販売のガラスケースには、丁寧に仕上げられたサンドイッチや季節の果物を贅沢に使ったヴィエノワズリーが並び、洋菓子店のように華やかです。そして焼き菓子の種類も豊富で、ティータイムに喜ばれています。質の高い付加価値のある商品は多少高くても固定客がつき、安定した売り上げを維持しています。
芝田さんは家族の時間も大事にしたいと、日、月、第2、4火の各曜日を休み、労働時間の短縮も考えています。
完成度の高い多品種のパン 「ブーランジュリーFUKUSUKE」は、2011年12月にオープンした地元でも有名な人気店です。店長の武田直樹さんは今治市の「フクスケベーカリー」の息子として生まれ、岡山や大阪で修業を重ねてきました。幅広い客層を考慮し、パンの種類も豊富です。国内外の小麦粉を使った、食パンやハード系のパンから菓子パン、調理パンまで揃い、焼き菓子も入れると80~100種類はあります。特にハード系のライ麦50%使用のパン・ド・メテイユ、赤ワインで生地を仕込んだパン・オゥ・ヴァン、愛媛県産の栗がたっぷり入ったブリオッシュ、クロワッサンなど完成度の高い商品が並んでいます。 また武田さんは修業先の「ブーランジュリーパリゴ」の安倍竜三さんの影響もあり、リテールベーカリー同士が力を合わせ、行政に働きかける必要を感じ、リテールベーカリー協同組合に入りました。昨年の愛媛豪雨災害の時には、仲間たちに呼びかけ100万円の募金を集め寄付をすることができました。組合に参加したことで世界が広がり、四国だけでなく全国のベーカリーとの交流も増えました。この体験を次世代にも伝えていきたいと思っています。
国産小麦を使った魅力あるパン 16年前にオープンした「ブーランジュリー プース・ド・シェフ」は、国産小麦のパン屋さんとして注目を集めています。お洒落な外観と活気のある店内は、パンの良い香りに溢れ購買意欲がわいてきます。セルフ販売スタイルの店頭では、オーナーシェフの得居則広さんの妻、和子さんが笑顔で応対し、お客様が気持よく買い物ができるよう気配りしています。
開業の頃からハード系のパンを作っていましたが、その頃の松山では馴染みがなくなかなか売れませんでした。
5年前の改装をきっかけに、すべてのパンの材料を国産小麦に替え製法も研究し、ハード系のパンに再挑戦しました。そしてもっと専門的な勉強をするため、パン技術研究所の発酵種コースを受講しました。おかげで発酵種を使った、国産小麦の特性を生かしたパンが完成。さらに「新麦コレクション」に入会し、各地の生産者を訪問するツアーにも参加しています。パン職人同士の技術交流も増え、パンの面白さを今まで以上に感じるようになりました。そして生産者の喜びや苦労に想いを馳せることに誇りを感じています。生産者の顔が見えるパンは、お客様にも好評です。