第28回特別講習会 - 東京製菓学校 - ブランスリー電子版


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講習会/2017年12月号

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第28回特別講習会 - 東京製菓学校
しっとりブレッド
バターロール(冷蔵中種法)
アップルカスタード
メープルウォルナッツ
ブリオッシュクリームパン
講師を務めた山本敬三氏
 東京製菓学校(梶山浩司校長)は8月24日、同校校友会主催の「第28回特別講習会」を東京・新宿区の同校で開催した。講習は、パン、洋菓子、和菓子の3コースで行われ、パンコースでは、神奈川県内などに複数のベーカリーを展開するパンステージプロローグの山本敬三社長が講師に招かれた。山本講師は、バターロールやフランスパン、ブリオッシュなどの基本的な生地を使って、数十種類のパンの製造実演を行った。売れる商品を効率的に手際よく作るための数々のノウハウを披露し、受講者らの共感を得ていた。



冷蔵中種の威力を実感できる製品
講師を務めた山本敬三氏
 山本敬三講師の話 商売をしていく上で最も大事にしていることのひとつは、定番商品をいかに売れるようにするかということだ。定番商品のひとつであるバターロールの生地は、冷蔵中種法で仕込む。ストレートで仕込んだ生地の場合は、焼き上がりはいいが、老化が早すぎて、次に日になったらぱさぱさで美味しくなくなってしまう。冷蔵中種法で仕込む生地は絶対にお勧めだ。今の時代は、労働時間を減らして休みを増やさなくてはならないので、その意味でも冷蔵中種法はうってつけだ。このように冷蔵中種の方法はいいことが沢山ある。当店は最近はほとんどが種物になってきている。ストレート法で作るパンはほとんどなくなった。昔は、美味しいパンを作るためなら、寝る時間も惜しんで仕事をしていたが、今の時代はそんなことをしていたら大変なことになる。労働時間の問題は、差し迫った課題なので、いかに工夫して早く帰るかを常に考えながら仕事をしている。そのためにも、全員がすべての仕事ができなくてはならないので、当店では、3年で一通りのことを教えることにしている。



バターロール(冷蔵中種法)
バターロール(冷蔵中種法)
写真1
 冷蔵中種法で仕込むバターロール。中種を一晩熟成させるので、本捏以降の工程の自由度がかなり高くなる。

【中種配合%】
強力粉(カメリヤ)‥‥‥‥‥‥30
セミドライイースト‥‥‥0・4
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
【工程】
全材料をミキシングし、冷蔵で24時間発酵させる
【本捏配合%】
強力粉(カメリヤ)‥‥‥‥‥‥40
強力粉(スーパーキング)‥‥‥15
薄力粉(オルガン)‥‥‥‥‥‥15
セミドライイースト‥‥‥0・4
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1・8
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥12
脱脂粉乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥32
ルヴァン‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
無塩バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
【工程】
ミキシング‥‥‥L3分M5分(無塩バター投入)L2分M5分H4分
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥26度C
フロアタイム‥‥‥‥‥‥1時間
分割‥‥‥‥‥‥‥‥‥45グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥15分
成形‥‥バターロール形(写真1
ホイロ‥‥‥‥30度C70%1時間
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火200度C下火180度C10分
 山本敬三講師のコメント 冷蔵中種の最大のメリットは、パンの老化がおそくなること。この製法で作ったバターロールを3日立った時点で試食してみたが、品質にまったく問題なく、とても美味しく食べられた。生イーストは使わず、セミドライイーストを使っている。最初の力が弱いので、冷蔵中種法にはうってつけだ。中種を24時間以上発酵させているので、本捏ねで捏ね上がった生地は、特に夏場はすぐに冷蔵してしまえば、かなり長い時間ひっぱれるので、自由度が高い生地と言える。



バターロール生地を使ったバラエティー




▽しっとりブレッド
しっとりブレッド
写真2
写真3
 バターロールの生地を300グラムに分割し、麺棒で楕円形にのばして、▼スイートマーガリン40グラムを塗り広げて(写真2)、ロールした生地を使用。それを12等分に輪切りにして、小さな食型にひとつずつ左右にずらしながら並べて入れ(写真3)、ホイロをとって焼成する。しっとりした食感とほのかな甘みが特徴。
▼スイートマーガリン
【材料%】
マーガリン‥‥‥‥‥‥‥100
粉糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥10
【作り方】
全材料を混ぜ合わせる

▽メープルウォルナッツ
メープルウォルナッツ
写真4
写真5
売れる商品について語る山本敬三講師
 バターロールの生地にくるみを対生地で20%練り込み、350グラムに分割。麺棒で楕円形に薄くのばし、▼メープルマーガリン60グラムを塗り広げロールして、12等分に輪切りにする(写真4)。それらを、小さな食型にひとつずつ左右にずらしながら並べて入れ(写真5)、ホイロをとって焼成する。しっとり感の中にくるみの食感がぷちぷちと浮かび上がるのが心地よい製品になっている。
▼メープルマーガリン
【材料%】
スイートマーガリン‥‥‥100
メイプルシュガー‥‥‥‥‥‥50
メイプルシロップ‥‥‥‥‥‥5
【作り方】
なめらかな状態になるまで、全材料をよく混ぜ合わせる

原価計算女王
原価計算女王
ブリオッシュクリームパン
ブリオッシュクリームパン
写真6
写真7
写真8
写真9
 同じく冷蔵中種を配合して仕込むブリオッシュ。ブリオッシュも工夫次第で売れる商品となる。

【中種配合%】
強力粉(カメリヤ)‥‥‥‥‥‥‥20
セミドライイースト‥‥‥‥0・2
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・5
牛乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
【工程】
全材料をミキシングし、冷蔵でオーバーナイト
【本捏配合%】
フランスパン用粉‥‥‥‥‥‥‥50
強力粉(カメリヤ)‥‥‥‥‥‥‥30
セミドライイースト‥‥‥‥0・8
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1・6
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30
卵黄‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
無塩バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥33
牛乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥16
ルバンリキッド‥‥‥‥‥‥‥‥15
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥L4分M8分(無塩バター投入)M3分H3分
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥‥25度C
フロアタイム‥‥‥‥‥‥‥45分~
分割‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥50グラム
ベンチタイム‥‥‥‥冷蔵で1時間
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥生地を円盤状にのばして、▼カスタードクリーム40グラムをのせて包む(写真6写真7、半月のような形にする)
ホイロ‥‥‥‥‥28度C70%1時間
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火200度C下火200度C10分
▼カスタードクリーム
【材料%】
牛乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥12・5
氷砂糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥12・5
卵黄‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
バニラビーンズ‥‥‥‥3分の1本
薄力粉(オルガン)‥‥‥‥‥‥‥4
コーンスターチ‥‥‥‥‥‥3・5
無塩バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥12
ブランデー‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1
【作り方】
①牛乳を鍋にとり、バニラビーンズを入れて、さらに氷砂糖を入れて混ぜ合わせる
②グラニュー糖を卵黄の中に入れて混ぜ合わせる
③(2)に薄力粉とコーンスターチを入れて混ぜ合わせる
④(1)の1部を(3)に入れて(写真8)、混ぜ合わせ、濾しながら(1)に戻し入れる
⑤(4)をホイッパーでよく混ぜ合わせ、火を弱くして木ベラに持ち替え、よく混ぜ合わせながら、じっくりと炊く(写真9
⑥最終的な状態が決まったら、火を止めて無塩バターを入れて混ぜ合わせる
⑦(6)が冷めたらブランデーを入れる
⑧(7)を濾して出来上がり
 山本敬三講師のコメント 生地玉で冷蔵しておくことが多い。1日で使い切ればベストだが、次の日に持ち越しても冷蔵中種の生地であれば大丈夫だ。生地玉を冷蔵庫から出してきていきなり成形せずに、一度丸め直して時間をおいてから成形した方が窯伸びが圧倒的にいい。

ブリオッシュ生地を使ったバラエティー


▽アップルカスタード
アップルカスタード
写真10
写真11
 りんごをまるごとブリオッシュ生地で包んで焼き上げる製品。りんごのホールのシロップ煮の芯を抜き、そこに▼カスタードクリームを絞り(写真10)、50グラムに分割したブリオッシュ生地を円盤状に薄くのばしたもので包む(写真11)。綴じ目を下にしてベーキングカップに入れ、ホイロをとって、上面にカスタードと、りんごのコンポートのスライスをトッピングして焼成する。

▽ブリオッシュあんぱん
ブリオッシュあんぱん
製造実演を行う山本敬三講師
 ブリオッシュ生地を使用したあんパン。50グラムに分割した生地を円盤状にのばし、あん70グラムを包んでホイロをとって焼成する。


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