2017特別講習会(製パンコース) - 日本菓子専門学校 - ブランスリー電子版


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講習会/2017年9月号

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2017特別講習会(製パンコース) - 日本菓子専門学校
スイートロール
パン オ ヴァン(ワインのパン)
ゴマ油食パン
アテット形のブリオッシュ
円盤状に成形して焼き上げたブリオッ
シュ
講師を務めた鈴木信明教師
 日本菓子専門学校(秋田勝校長)は7月4日、「2017特別講習会(製パンコース)」を、東京・世田谷区の同校で開催した。同校の鈴木信明教師と千葉良一教師が、スイートロールのバラエティーやブリオッシュのバラエティーなどについて説明しながら、その製造実演を行った。講習会の冒頭挨拶に立った秋田勝校長は「今日は、パン科の教師陣が、『洋菓子店でも作りやすいパン』のテーマで選んだ製品をとり上げます。受講者の皆様のパン作りの何らかのヒントになれば嬉しいと思っています」などと話した。



売るための一手間をかけたパンの数々
講師を務めた鈴木信明教師
講師を務めた千葉良一教師
講習会の様子



スイートロール
スイートロール
写真1
写真2
写真3
 スイートロール生地を使ったバラエティーの3製品。いずれも、売るための一手間をかけた製品。

【配合%】
強力粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥80
薄力粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
生イースト‥‥‥‥‥‥‥‥‥6
食塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1・5
脱脂粉乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40
バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
砂糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥L2分H10分~(ミキシング前に、砂糖とバターをしっかり混ぜ合わせてクリーム状にし、さらに卵を3~4回に分けて加えてしっかり混ぜ合わせ、ふわっとしたクリーム状にしておく。こうして、生地中に空気を十分に抱き込ませると、イーストのガス発生が促され、ソフトでボリュームのあるパンができる)
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥27度C
発酵‥‥‥‥‥28度C80%1時間
分割‥‥‥‥‥‥‥‥‥60グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥冷蔵庫(5度C)で15分
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥①円盤状にのばして天板に並べる成形②丸め直してベーキングカップに入れる(写真1)成形③▼カフェクリーム50グラムを包んで(写真2)天板に並べる成形、の3通り
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥‥34度C82%40分(ホイロ後、①は、円形に固めた▼クレームブリュレを上面中央にのせ(写真3)少し押し込む。②は▼マカロンを絞って粉糖をふる。③はコーヒー豆をトッピングする
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火220度C下火200度C約12分
▼カフェクリーム
【配合グラム】
牛乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥200
粉末コーヒー‥‥‥‥‥‥‥‥5
コーヒーエキス‥‥‥‥‥2~3
卵黄‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2個
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥30
薄力粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
【工程】
①牛乳を鍋に入れ加熱する
②卵黄、グラニュー糖、粉末コーヒー、コーヒーエキスを混ぜ合わせる
③(2)に薄力粉を加えて混ぜ合わせる
④(3)に(1)を加えて混ぜ合わせる
⑤(4)にバターを加えて混ぜ合わせる
▼クレームブリュレ
【配合グラム】
生クリーム‥‥‥‥‥‥‥400
牛乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥200
卵黄‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥80
【工程】
①牛乳と生クリームを鍋にとり、温める
②卵黄とグラニュー糖を混ぜ合わせる
③(2)を(1)に加え、混ぜ合わせる
▼マカロン
【配合グラム】
粉糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥200
粉末アーモンド‥‥‥‥‥160
薄力粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥60
卵白‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥160
【工程】
ホイッパーを使用し、全材料を混ぜ合わせる
 鈴木講師のコメント お菓子屋さんではなじみの深い「クレームブリュレ」や「マカロン」などをスイートロール生地にトッピングしたり、絞ったりすることで、洋菓子店らしい製品になると思う。甘くておいしいパンケーキのような味わいになったと私は思っている。



パン オ ヴァン(ワインのパン)
パン オ ヴァン(ワインのパン)
写真4
写真5
 赤ワインとサラミを混ぜ込んだ生地を焼成したパン。サラミはミキシング前に赤ワインに漬け込んでおく。

【配合%】
フランスパン用粉‥‥‥‥‥‥90
ライ麦粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
インスタントイースト(赤)‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・6
食塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30
赤ワイン‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥45
サラミ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40
発酵生地(フランスパン生地)‥50
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥L3分M8分(サラミ投入)L1分
捏ね上げ温度‥‥‥‥24~25度C
発酵‥‥‥‥‥28度C75%1時間(パンチ=写真4)30分(発酵後、生地を平らにならして30分休ませる)
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥平らにのばした生地を適当な大きさにカットして布取りする(写真5
ホイロ‥‥‥‥30度C80%30分(ホイロ後、クープを入れて粉を振る)
焼成‥‥‥‥‥‥上火240度C下火200度C25分(スチーム注入、上火を途中で220度Cに下げる)
 鈴木講師のコメント 赤ワインを使ったパンだ。サラミは焼いたときに縮んでしまうので、大きめにカットしてある。成形は、生地をカットするだけ。スチーム焼成を行うが、スチームオーブンがない場合は、タルトストーンを入れた容器をオーブンに入れておいて熱い状態にして、そこに水を垂らすことで、炉内に蒸気を充満させて焼くといい。

ゴマ油食パン
写真6
写真7
写真8
 バターをごま油に置き換えることで小麦粉本来の風味を引き出した食パン。

【配合%】
強力粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
生イースト‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
食塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
砂糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
脱脂粉乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
生クリーム‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
ごま油‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
はちみつ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥60
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥L2分M8分(生地の一部をとって、粉末紫芋を5%加えた生地と、粉末パンプキンを5%加えた生地を作る)
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥‥26度C
発酵‥28度C78%45分(パンチ)45分
分割‥‥‥‥‥‥180グラム×2
成形‥‥‥‥‥①棒状にした生地をめん棒でのばして巻き上げ(写真6)、ワンローフ型に2つ入れる成形(写真7)②プレーンの生地を楕円状にのばし、同じく楕円状にのばしたパンプキンの生地を重ねて巻き上げた生地(写真8)をワンローフ型に1つ入れる成形③プレーンの生地を楕円状にのばし、同じく楕円状にのばした紫芋の生地を重ねて巻き上げた生地をワンローフ型に1つ入れる成形、の3通り
ホイロ‥‥‥‥‥‥32度C82%1時間(生地の頭が型の上に1センチ程度出たところがホイロ完了の目安)
 鈴木講師のコメント さくっとした食感にするには、液体の油脂を使うといい。パンチをする目的は、生地がだれるのを防いで、生地を安定させることのほかに、空気を抱き込ませて発酵を促進させたり、生地をつぶすことによって内層を細かくしたりすることがある。

ブリオッシュ
ブリオッシュ
写真9
写真10
 ブリオッシュはそのままでは売りづらいので、クリームを挟むなどして、食べやすくした。

【配合%】
強力粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
生イースト‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
食塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1・7
砂糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥50
卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥50
牛乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥14
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥L3分M8分(バター投入)M2分(バター投入)M2分(バター投入)M3分~
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥‥24度C
発酵‥‥‥‥26度C78%1時間(パンチ)(パンチ後、冷蔵庫で休ませる)
分割‥‥‥‥‥40グラム、50グラム
ベンチタイム‥‥冷蔵庫で休ませる
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40グラム分割生地は、アテット形に成形して(写真9)、アテット型に入れる(写真10)、50グラム分割生地は、直径約10センチの円盤状にのばす
ホイロ‥‥28度C78%40分(ホイロ後、アテット型に成形した生地は、塗り卵を2回施し、円盤状に成形した生地には▼クレームパティシエールフランボアを絞り、オレンジスライスとフランボアをトッピングする)
焼成‥‥‥‥‥‥アテット型に成形した生地は、上火180度C下火230度C10分、円盤状に成形した生地は、上火200度C下火210度C10分(焼成後、アテット型に成形した生地は、カットして、練乳クリームを20グラム絞り、粉糖をふる。円盤状に成形した生地は、縁に粉糖をふり、ナパージュを塗り、ミントをのせる)
▼クレームパティシエールフランボア
【配合グラム】
牛乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥500
フランボアのピューレ‥‥‥500
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥260
卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4個
粉末クリーム‥‥‥‥‥‥‥‥‥80
バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
【工程】
①フランボアのピューレは常温に戻しておく
②牛乳を鍋にとり、加熱する
③卵にグラニュー糖を加えて混ぜ合わせる
④(3)に粉末クリームを加え混ぜる
⑤(4)に(2)を加えて混ぜ合わせる
⑥(5)に(1)を加えて、火にかけて混ぜながら加熱する(20秒ぐらいは必ず沸騰させる)
⑦最後にバターを加えて、混ぜわせる
 鈴木講師のコメント ブリオッシュは、水分が少なくパサついた感じがするので、売るための工夫を施した。

原価計算女王
原価計算女王

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