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お店拝見/2016年12月号 |
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同店の品揃えは、子供から年配者まで幅広い客層に対応したもの。創業からの客が、子供世代や孫世代を連れて訪れ、新しい世代がまた個々にリピートしているという。 「傾向を見ていると、ご自分一人用に買って行かれるより、複数人で召し上がる個数をお買い上げです。ご家族でシェアしているのかなと想像します。コッペパンも、『アンバタ』単品で売れるというより、複数のフィリングの中に『アンバタ』が選ばれる率が高いですね。切り分けて皆さんで色んな味を食べていらっしゃるのかも知れません」(林さん) また、同店の特徴は「手作り無添加パン」。中に何が入っているかすべて説明できる商品である事も同店のこだわり。子供も安心して食べられる食品作りをしているという。 「シニア層は『あんぱん』『クリームパン』といった定番商品を好まれます。一方で、若い方は珍しい新製品もお好きです。家族の健康を考えるお母さん世代はライ麦パンも召し上がります。一人一人に向けたパンをご用意したいのです」(林さん) 同店が行ったアンケートによると、週に一度のリピーターが最も比率が高い。週に3~4日、毎日来店、というファンの姿も少なくない。 また、同店では半年に一回程度の周期でセールを行っている。セール日を決めるときも、「この日は小学校の運動会があるから、来られないお客様が多い」などと、地域の行事への考慮も忘れない。工夫の末、セールは毎回大盛況。並んでいる客の安全のために、業者を雇って対応するほど。 社長は初代から引き継いで、現在二代目社長の時代。当初洋菓子店からスタートした「ときわ堂」は、菓子パンや焼き菓子作りにその面影を残しながら、今はベーカリーに特化し、変わらぬ地域の支持を得ている。 楽しい気持ちで帰ってもらいたい 林さんは店頭の品揃えについて「理想は、閉店まで全ての商品が一つずつ残っている状態。なかなかそうはいきませんが、それを目標として製造量を考えるようにしています」と語る。「閉店前の最後の一人のお客様にも、全商品の中からお好きな製品を選び、満足して帰って頂けるのが一番の目標です」と林さん。ロスのマイナスを防ぐことよりも、客が楽しい気持ちで帰ってもらうことを優先する。雨の日は客足が落ちるので、製造を抑える方法もあるが、同店は「雨の日に来て下さったからこそ、豊富な品揃えでお迎えしたい」と考える。 同店は駐車場がない。そのため、遠方から来る客は電車を乗り継ぎ、駅から歩いて来店する。 「楽しみに遠くから来て下さる方に、欠品だったりしたら申し訳ありません。とにかく4時頃まで定番商品が売り切れないよう、回数を分けて焼き上げています」と、林さんの口調は熱心だ。 老舗の人気店は、「楽しい気持ちで帰ってくれれば、お客様はまた来てくれる」という思いでサービス満点の運営に努めていた。 SHOP DATA 店名:パン工房 ときわ堂食彩館 住所:〒123‐0844東京都足立区興野1‐11‐8 電話:03‐3848‐2255 営業時間:午前8時~午後7時 定休日:水曜、第3木曜 品揃え:パン約130品目、サンドイッチ約30品目 スタッフ:製造常時5人、販売平日5人、土日6人 店舗面積:売り場約10坪、厨房約20坪、平日日商:20~25万、土日30~40万 |

この記事の読みどころ
●定番商品の良さを大事にし、そこにトッピングやフィリングなどの新しい要素を取り入れている。
●地域の客の予定を考慮して、来店の可能性が高い日にサービスを提供する。 ●店で楽しい気持ちになってもらうことを大切にし、支持を得る。 ※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。 |

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