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講習会/2015年11月号 |
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焼き菓子に力を入れていきたい | |
西園誠一郎講師の話 コンベクションオーブンを使って6品やっていきます。コンベクションオーブンを使ったセミナーということで、焼きをメインにやらせていただきます。自分が普段お菓子を作ったり食べたりしている中で、おいしいなと素直に思うのは、焼きっぱなしのものが結構多いと思います。今後は自分の店でも、焼き物をメインに展開したいと思っています。
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ヴェリーヌ・エチオピアン | |
プリンのなめらかさと、チェリーの果肉感、コーヒーのシュトロイゼルのざくざくとした食感が心地よく響き合うデザート。
▽プリン 【配合グラム】 牛乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥1690 コーヒー豆(エチオピア イルガチェフェ ナチュラル)‥‥‥120 グラニュー糖‥‥‥‥‥‥350 全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥720 卵黄(20%加糖冷凍卵黄)‥110 マンジャリ(ダークチョコ=ヴァローナ社)‥‥‥‥‥‥‥‥‥376 【工程】 ①牛乳を火にかけ、コーヒー豆とグラニュー糖ひとつかみを入れて加熱する ②ホイッパーでかき回しながら加熱し、沸騰するまでよく温める ③全卵と卵黄を合わせ残りのグラニュー糖を入れ、バーミックスでよく混ぜ合わせる(完全に液卵の状態にする) ④(3)に(2)を注ぎ入れる ⑤(4)を濾して、マンジャリを入れたミキサーボウルに注ぎ入れて(写真1)混ぜ合わせ、さらにバーミックスでよく混ぜ合わせる(生地温度50度C前後) ⑥(5)の表面に浮いたあくをていねいに取り去る ⑦(6)の生地を透明のプリンカップに3分の1程度の高さに入れる(写真2) ⑧88度Cのスチームコンベクションオーブンで約24分焼成する(写真3) ▽チェリーコンポート 【配合グラム】 冷凍チェリーホール‥‥‥500 グラニュー糖‥‥‥‥‥‥300 水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥300 バニラビーンズ‥‥‥‥‥‥1本 ポルト酒‥‥‥‥‥‥‥‥100 【工程】 ①全材料を混ぜ合わせて、耐熱袋に入れ、88度Cのスチームコンベクションオーブンで24時間加熱する(プリン生地を焼成する際に一緒に入れておく) ▽コーヒーのジュレ 【配合グラム】 水出しコーヒー‥‥‥‥‥800 パールアガー8(ゲル化剤)‥‥20 グラニュー糖‥‥‥‥‥‥120 【工程】 ①水出しコーヒーを鍋に入れて火にかける ②パールアガー8とグラニュー糖を混ぜ合わせ(1)に加えて、ホイッパーで混ぜ合わせる ▽コーヒーのシュトロイゼル 【配合グラム】 バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥200 グラニュー糖‥‥‥‥‥‥200 塩(グロ・セル=サンエイト貿易) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4 アーモンドプードル‥‥‥180 細挽きコーヒー豆(エチオピア イルガチェフェ ナチュラル)‥‥10 カカオパウダー(ヴァローナ社) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥36 メルヴェイユ(フランス産小麦粉=日本製粉)‥‥‥‥‥‥‥‥230 P125(油脂成分が少ないチョコレート=ヴァローナ社)‥‥‥‥24 【工程】 ①グラニュー糖、アーモンドプードル、塩、メルヴェイユ、細挽きコーヒー豆、カカオパウダーを鍋に入れて加熱し、混ぜる ②(1)にバターを加えすり合わせる ③よく混ぜ合わせて、沸騰するまで加熱する ④(3)をミキサーボウルに移し、P125を加えて、ビーターを使用してさらに混ぜ合わせる ⑤(4)を濾して、150度Cのスチームコンベクションオーブンで15~20分焼成する 仕上げ 【工程】 ①焼き上がった▽プリンに▽チェリーコンポートをのせ(写真4)、さらに▽コーヒーのジュレをのせる(写真5) ②(1)に▽コーヒーのシュトロイゼルをトッピングする(写真6) |

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タルト・フィグ・キャフェ | |
フレッシュのいちじくをたっぷりトッピングして焼き上げる、コーヒーの香りがほのかに効いたボリューム感のあるタルト。
▽パート・シュクレ 【配合グラム】 ブール・プレパラシオン(小麦粉が入ったバター=タカナシ乳業)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1000 粉糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥300 全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥150 アーモンドプードル‥‥‥‥100 メルヴェイユ(フランス産小麦粉=日本製粉)‥‥‥‥‥‥‥‥300 【工程】 ①ボウルにブール・プレパラシオンと粉糖を入れてビーターを使用し低速で捏ねる ②(1)に全卵を入れて、低速でさらに混ぜ合わせる ③(2)にアーモンドプードルとメルヴェイユを加えて、さらに混ぜ合わせる ④(3)の生地を麺台にのせ、手のひらの下の部分で生地を押さえつけながら押し出すようにして練る(写真7、こうすることで生地が乳化した状態になる) ⑤(4)の生地を冷蔵庫で休ませる ▽コーヒー入りいちじくペースト 【配合グラム】 ドライフィグ(サンエイト貿易)‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥300 細挽きコーヒー豆(エチオピア イルガチェフェ ナチュラル)‥‥6 マダガスカルバニラ(サンエイト貿易)‥‥‥‥‥‥‥‥‥2分の1本 水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥60 キビ砂糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥60 マルサラ酒‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30 【工程】 ①深めの耐熱容器に、ドライフィグ、細挽きコーヒー豆、水、キビ砂糖を入れ、さらにマルサラ酒を入れて軽く混ぜ合わせる ②(1)を500Wに設定した電子レンジに入れ、4~5分加熱する ③(2)をボウルに移し、バーミックスでドライフィグを崩しながら混ぜる(写真8) ▽クレームダマンド 【配合グラム】 バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥180 アーモンドプードル‥‥‥‥180 全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥180 グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥180 Jフォルテコーヒー(濃縮コーヒーペースト)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥24 【工程】 ①ボウルにグラニュー糖を入れ、柔らかくしたバターを入れてしっかりと混ぜ合わせる ②(1)にアーモンドプードルを入れて混ぜ合わせる ③(2)に全卵を3回に分けて加え、混ぜ合わせる ④(3)にJフォルテコーヒーを加えて混ぜ合わせる 仕上げ 【工程】①▽パート・シュクレを麺棒で3ミリ厚にのばし(写真9)、直径約32センチの円形に抜き、直系約30センチのタルト型に敷き詰め(写真10)、生地の端をカットする ②(1)の上に▽コーヒー入りいちじくペーストを渦巻状に絞り、上面をヘラで平らにならす ③(2)の上に▽クレームダマンドを渦巻状に絞り(写真11)、上面をヘラで平らにならす ④フレッシュのいちじくをスライスして、(3)の上に敷き詰める ⑤(4)の上にオイルを塗って(写真12)、砂糖を散らし、160度Cのスチームコンベクションオーブンで約25分焼成する |
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乾燥がない理想的なオーブン | |
西園誠一郎講師の話 焼きぱなしのお菓子は、生菓子のような派手さはありませんが、素直においしいと思います。自分の店ではそんなお菓子を出していきたいと思います。
ツジ・キカイのスチームコンベクションオーブンは、蒸気の量や庫内の風速の組み合わせなどが無限にあり、焼くお菓子の種類によっていろんな使い方ができるのがいいですね。 タルトは、表面はからっといい感じに仕上がり、中は水分が飛ばずにしっとりとジューシーに仕上がります。スフレは、従来はコンベクションオーブンは向いていないと言われていますが、ツジ・キカイのスチームコンベクションオーブンなら、私の満足いくものが短時間で焼き上がります。ダンパーを開けた状態で、スチームを入れて焼きます。ファンスピードは低速になります。 私の店では、焼成はすべて、スチームコンベクションオーブンで行っています。コンベクションと言うと製品の乾燥が問題になっていましたが、実際にはそんなことはなく、しかも平窯で焼くより短時間で上がり、生産性が向上するので、私にとって、理想的なオーブンです。 |
業界の常識を覆したい | |
山根証・ツジ・キカイ社長の話 今回の講習会では、スチームコンベクションオーブンしか使いません。西園シェフの店では、すべてのお菓子をスチームコンベクションオーブンで焼いています。当社がコンコンベクションオーブンを開発してから40年以上が経ちました。われわれは、オーブンの焼きむらをなくすことで、世界一のコンベクションオーブンメーカーになろうと日々努力してきました。そして、今年新型モデルを発売しました。
業界の人たちは、コンベクションオーブンは、ある特定のものには向いているが、それ以外は向いていないと思っています。私達は、それを覆し、われわれのスチームコンベクションオーブンはあらゆる菓子に向いていることをて立証していきたいと思っています。 このスチームコンベクションオーブンは想像力がないと活用できません。どれぐらい風の強さがあった方がいいのか、どれぐらい水分を抜いた方がいいのか、そんないろんな要素が盛り込まれ、それらを組み合わせて、想像力を働かせて、お菓子を組み立て頂ければと思っています。 |
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