閉店間際の来店客にも選んで購入してもらいたい - Pain de U - ブランスリー電子版


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お店拝見/2013年11月号

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閉店間際の来店客にも選んで購入してもらいたい - Pain de U
店主の原浩介さん(右)と、販売スタッフ。原さんは、ベーカリーでの修業経験のほか、洋食店での接客と調理の経験もある
フェラーリの赤をイメージした外装の店舗。電車の車窓からもよく見える
落ち着いた雰囲気の店内に約70品目のパンが並ぶ
 JR横浜線で横浜駅から一駅の、東神奈川駅からすぐの「Pain de U(パン ド ウー)」は、その横浜線の線路沿いに佇む。
 店主の原浩介さんは、スポーツカーの赤いフェラーリが好きなことから、同店の外装を赤色にした。鮮やかな赤色をまとった同店は、電車の車窓からもその存在を見つけることができる。
 営業時間は、朝8時から夜7時までだが、夜の閉店間際に買いに来る人がかなり多い。
 「電車を降りて家路を急ぐ方が寄って下さります。なかでも、仕事帰りに保育園までお子さんを迎えに行く母親が、その途中に寄っていくというケースが目立ちます」(原さん)
 そのため、閉店間際まで最低20品目は揃えるようにしているという。
「近くのスーパーや駅前、駅ナカにも、遅くまで開いているベーカリーがあります。こうした環境の中で、わざわざ当店に寄ってくださるということを考えると、閉店するまでバラエティー豊富に揃えておく必要性を感じます。せっかく来ていただいた方をがっかりさせたくありません。閉店間際でも、選んで買っていただきたいと思っています。そのために、ある程度のロスは覚悟しています」(原さん)
 一方、朝の開店早々に来店する客も多くいる。客層は夜とは異なり、年配者が大半を占める。
 「朝、ほぼ毎日来て下さる方は、その日の朝食用に購入されていきます。たくさんではなくて、パンを2個とドリンク1本といった風に、1食で食べ切れてしまう量です。このような買い物をされる方には、『あんぱん』(130円)が人気です」(原さん)
 そして昼過ぎも、客足は途切れない。午後3時から4時の間は、近くの専門学校生の利用が目立つ。
 「昼過ぎから夕方前の間でも、お客様が結構来てくださることが意外でした」(原さん)
 専門学校生らに人気なのは、「明太フランス」(220円)だ。同製品は、客からリクエストがあったことで誕生した。



現在の品目数は開業時の約2倍
朝開店時によく出るという「あんぱん」(130円)、「クリームパン」(130円)、「メロンパン」(140円)などの定番商品
あっさりとした甘さのクリームがたっぷり詰まった「ジャージー牛乳コロネ」(140円)
日によって練り込む具材が頻繁に替わる「本日のリュスティック」。取材時は、黒豆をフランスパン生地に練り込み、きなこをまぶした製品が並んでいた
 同店は2010年5月に開業した。開業後3年半の間に、アイテム数は約倍近くまで増えてきた。30~40品目だったのが、今では約70品目だ。
 「特に決めている訳ではないのですが、毎月少ないときで3品、多いときだと7品の新商品を出しています。1度出すと、ファンのお客様が付くのでなかなかやめられず、どんどん増えていって、その結果、現在は陳列棚が足りない状態になってしまいました。でも、製造スタッフは今年1人増えて3人体制になったので、あともう少し増やしていきたいと思えるようになりました」(原さん)
 新商品開発のアイデアは、テレビや雑誌などを見てひらめくことが多いという。見た目から味を想像し、それに自分のアレンジを加えて完成させるという流れで開発する。また、原さんは、ベーカリーの開業を志す前から趣味だったというベーカリー巡りが、開発のアイデアの貯蓄となっているようだ。開業した現在も、定休日を利用して店のスタッフや友人と連れ立って、テレビや雑誌で話題のベーカリーに出向くようにしているという。
 「他のベーカリーに行ったら、パンそのものだけでなく、陳列の仕方、接客の仕方、店全体の雰囲気など、あらゆるものを参考にしています。吸収できるものは、すべて吸収していきたいと思っています」(原さん)



半端な具材を利用して品揃えに変化を付ける
秋の新商品の「スイートポテトバゲット」(230円)
「スイートポテトバゲット」の断面。サツマイモのクリームの上に角切りの甘いサツマイモがトッピングされている。生地にもサツマイモパウダーを練り込んでおり、クラムが黄色みがかっている
レジ横の冷蔵ショーケースには、「手作りカスタードプリン」(130円)と「紅茶シフォンケーキ」(190円)、ドリンク類が並ぶ。シフォンケーキは、洋食店に勤務していたときに覚えたレシピで作る
 新商品が頻繁に出て、毎日のように品揃えに変化があることが、同店の大きな魅力になっている。
 毎朝のように来店する年配客や、閉店間際の来店客にとって、品揃えに対する期待感は、同店に足を運ぶためのエネルギーにもなる。
 リュスティックは、練り込む具材が頻繁に替わる。そのため、商品名を「本日のリュスティック」としている。取材時は、黒豆をフランスパン生地に練り込み、きなこをまぶした「本日のリュスティック」(150円)が並んでいた。
 「黒豆入りのリュスティックは気に入っているので出ることが多いですが、基本的にはその日その日で半端に余った材料を細かく刻んで練り込んで作るようにしています。例えば夏期は、枝豆をよく使っていたので、枝豆とチーズを合わせて練り込んだりしました。これからは、秋の商品によく使う栗の甘露煮などを使っていくことになると思います」(原さん)
 食材を無駄にしないために開発された商品はリュスティックのほかにもある。菓子パンのコロネがそうだ。取材時は、「ジャージー牛乳コロネ」(140円)とあった。
 「クリーム類も、半端に余ってしまうことがよくあるので、コロネのフィリングに使うようにしています。これからの季節は、栗のクリームを入れたコロネを作る日が増えてくると思います」(原さん)
 コロネと言えばカスタードやチョコクリームが一般的だ。それがジャージー牛乳のクリーム入りのコロネときたら、目を引くこと間違いなしだろう。クリームはパンの先までたっぷりと詰まっており、あっさりとした甘さで食べやすい。
 リュスティックやコロネの例が示すように、具材に変化を付けるだけで、常連客に新鮮味を与え、来店する楽しみを与えることができる。季節の新商品だけでなく、こうした細かな変化を付けることによっても、豊富な品揃えが実現できているのだ。
 原さんは、これからの課題として、看板商品を作りたいという。
 「今当店には看板商品と言えるパンがないんです。でも、万遍なく売れている今の状態でもいいかと思っています。いろいろな商品を買っていただけると考えれば、お客様には毎回選ぶ楽しみを提供できていると思うからです」(原さん)
 
SHOP DATA
店名:Pain de U
住所:神奈川県横浜市神奈川区二ツ谷町2‐1
電話:045‐312‐6808
営業時間:午前8時~午後7時
定休日:木曜
品揃え:約70品目
スタッフ:製造3人、販売1人
店舗面積:厨房11坪、売り場4坪
日商:15万円、土日20万円





原価計算女王
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