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| 特集／2013年9月号 |
2023年11月18日から、発行から１年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 相手にとって不足なし！コンビニのパン（後編）
前編から続く
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| クロワッサン | ||||||||||||||||||||||||
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どの商品も表面はしっとりしてしまっていて香りも弱く、リテールの焼きたてのものとの差を最も感じるアイテムだ。焼きたての香ばしさを出せない分、ファミリーマートの「焦がしバターのクロワッサン」のように表面にアーモンドビスケット生地をトッピングしたり、ミニストップの「クロワッサン（２個入）」のように甘味を強めたりするなど、味を付けているように思える。ミニストップの「クロワッサン（２個入）」の内層は粗いが、ひきがあり、バター風味がして最もリテールの味に近い。また、トーストすると有名チェーン店のミニクロワッサンのような味わい。ファミリーマートの「焦がしバターのクロワッサン」は内層が細かくクロワッサンというよりリッチな食パンのような食感。セブン‐イレブンの「クロワッサン」はバター風味が薄い。ローソンの「チョコクロワッサン」はスティックチョコを巻いている。
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| ミルクフランス | ||||||||||||||||||||||||
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各社ともリテールとの決定的な違いはクリームで、油分がやや分離していて、甘味が強い。また、ファミリーマートの「ソフトフランス練乳」とミニストップの「ミルクフランス」のパンはソフトなフランスパンでクラストの香ばしさはほとんどない。セブン‐イレブンの「濃厚練乳ミルクフランス」のクラストは少し香ばしさがあり、クリームの油分の分離は他社製品より少ない。
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| 調理パン | ||||||||||||||||||||||||
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ミニストップの「ピリ辛ウインナーのピザトースト」は、ピザソース、チョリソー、チーズ、ポテトのバランスがよく、味わい深い。サイズは小さめだが満足感がある。ファミリーマートの「チキン南蛮ドッグ」はボリュームがあるが、タルタルソースの酸味が物足りず、全体的に南蛮ソースの甘味が勝っている。唐揚げの衣が厚い。セブン‐イレブンの「スパイシーチキンロール」のチキンは、レジ横にあるホットチルドコーナーにある唐揚げのような、スパイスと塩分が濃い味。ゴマが良いアクセントになっている。ローソンの「てりやきバーガー」は１０５円という安価が嬉しいが、ハンバーグのソースの甘さが目立ち、全体的に単調な味。パンの食感も端から端まで変わらずメリハリがない。
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| 取材を終えての感想 Written by D記者
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| 弱点を熟知し、弱点を感じさせない満足感を演出 | ||||
今回取り上げた商品はすべて、パッケージの裏に原材料が記載され、さらに熱量や栄養成分の表示もあった。原材料表示は、食材だけでなく、食品衛生法に基づき、増粘剤、発色剤などの用途と、そのために使用する材料を、食品添加物として細かく記載していた。リテールベーカリーで購入するときは、パンの見た目で選ぶ楽しみがあるるが、こうした表示がリテールでもされた場合、客の反応はどうなるのだろうか。 熱量は、ほとんどの商品が１包装あたり３００〜５００キロカロリー程度だった。このことも、リテールで購入するときはあまり考えないことだが、食事制限のある人などには、こうした表示は有効だろう。熱量や栄養成分について明確に表示されている製品の需要は、今後着実に伸びていくのではないだろうか。 また、購入した翌日に食べてもあまり老化は気にならなかった。ちなみに賞味期限は購入日を含めて３〜４日で、長いものだと５日のものもあった。 しいて言うならば、ミルクフランスのパンの食感が少しぼそぼそとしていたが、トーストすればどのパンも、軽い食感と口どけの良さが楽しめた。 見た目、味ともに群を抜く個性（セブン‐イレブン） 他社が大手製パンメーカー数社に委託している中、同社の商品は、そのほとんどを、他社の委託先メーカーではない、ある１社が手掛けている。そのため、ソーセージパン、カレーパン、クリームパンなどと種類ごとに他社と比較した場合、見た目、味ともに群を抜く個性を感じた。印象的だったのは、ソーセージパンやカレーパンなどの調理系は、ソースやフィリングに一工夫されていて新鮮味があるのに対し、クリームパン、あんぱん、メロンパンに関しては、むしろ昔懐かしいような形状と味わいに感じた点だ。クリームパンとあんぱんのフィリングの量については、リテールのたっぷ り入ったパンを食べ慣れていると、見た目はちょっと少ないように思え、一昔前の袋入りのパンが頭に浮かんだ。しかし、実際食べてみるとパンとのバランスが良く、物足りなさはなかった。 一方、ソーセージパンなどの調理系のパンは、皮の食感が楽しめるソーセージや、食材の甘味や酸味が出ているソースなどが使用されており、その点はリテールに引けを取らない。「濃厚トマトピザ」のピザソースは、他社の類似した商品のソースよりトマトの甘味と酸味が格段に強く味わい深かった。また、冷蔵コーナーには、「ホットレッドドッグ」など温め専用のドッグ系のパンがあり、選択肢の幅の広さを感じた。 | ||||
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話題性のある商品が目に付く（ファミリーマート）
北海道フェアの商品の「たっぷり粒あんぱん」や、「くるみパン オブ・ザ・イヤー」で金賞受賞の「もちもちくるみパン」など、話題性のある商品が目に付いた。定番商品は、トッピングなどで他社との差別化を図っていた。クリームパンは甘食風の生地が、クロワッサンはビスケット生地が、さらにトッピングされていた。フレンチトーストも、他社は卵風味を強調したシンプルなものに仕上げているのに対し、さらにはちみつで風味付けがされていた。 「焼きチョコデニッシュ」は、チョコレート味のデニッシュ生地にダイスカットの焼きチョコを巻いた商品で、しっとりとしたデニッシュの食感に、さらに焼きチョコのさくっとした食感がアクセントを加えていた。 低価格でお値打ち感がある（ミニストップ） 全体的に低価格で、特にイオンが製造する「ＴＯＰＶＡＬＵ」シリーズのクリームパンとあんぱんはともに７８円で、今回調査したアイテム中最も安い価格だった。また、袋入りパンの定番とも言える、クリームをサンドしたコッペパンにチョコレートをコーティングした「チョコロール」も、８８円と低価格。同製品は、コーティング部分のチョコレートが、カカオの風味と苦味が感じられる本格的なものだった。コッペパンとしては少し小さなサイズだが、おやつ用に購入するのには適しているサイズではないだろうか。「スイートポテトスティックパイ」も１０５円にしてはずっしりとして食べごたえがある製品。細く、スティック状になっており、片手に持って食べられる。 もちもちの食感と健康志向を訴求（ローソン） クリームパンとあんぱんが、もちもち生地で作らているのが特徴的だった。ソフトな菓子パン生地で作られたものも選択肢にあると良いと思ったが、食べてみると、もちもちとした食感とフィリングのバランスが良く、万人受けしそうな味だった。 健康を配慮した商品が揃うオリジナルシリーズ「健（すこやか）」の商品は、熱量を２００キロカロリー以下に、糖質を１０グラム以下に抑えている。 その中の一つ「ほろにがショコラブラン」は、パンはふすま入りで香ばしく、フィリングのチョコレートは、ほろ苦さとカカオの風味が強調されていて、甘さがほとんどなかった。 そして、リテールでは焼きたてが人気なガーリックフランスもあった。同社の「ガーリックフランス」は、やはり、パンのカリッとした香ばしさなどはないが、青森県産のニンニクの風味が引き立ち、バターのジューシーさも楽しめ、物足りなさは感じられなかった。 |
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お断り：この特集における記述内容は、本誌記者のパンについての長い取材経験からの良識的かつ合理的判断によるものですが、一部本誌記者の意見や感想を含みます。
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