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特集/2013年7月号 |
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夕方以降の焼きたてパン
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夕方の焼きたてパンを「夕焼けパン」としてPR | |
夕方以降も焼きたての惣菜パンを充実させる
千葉県に6店舗のベーカリーと1店舗の菓子店を展開する「サフラン」(小川佳興社長)の、同県流山市にあるベーカリー「サフラン柏の葉店」は、70台の駐車場を完備する郊外型の人気店。5月の大型連休中、「黄金のメロンパン」(160円)がテレビ放映されたことも手伝って、さらなる賑わいをみせている。 平日の夕方4時、閉店時刻の4時間前だが、店内には、焼きたてのパンが続々と並べられていく。それら焼きたてのパンをト レーにのせて会計を済ませ、サービスのコーヒーと一緒に購入したパンをイートイン席で楽しもうという客の姿も目立つ。 店内の壁には、「16時頃に、焼きたてを。『夕焼けパン』」と書かれたポスターが掲示されている。 「数年前、夕方の売り上げを強化しようということで、『夕焼けメロンパン』や『夕焼けロール』と名付けた商品を販売していました。遅い時間にパン屋に行っても、自分の欲しいパンがなかったり、品薄で選べなかったりというイメージを持たれている方が多いので、夕方限定のパンを販売することで、夕方でも焼きたてのパンがあるということをアピールしました」(販売担当山根弘嗣さん) こうした「夕焼けパン」の販促効果もあり、夕方以降でも楽しみに来店する客が定着していったのだろう。 午後4時以降、厨房から運ばれてくる焼きたてのパンの中には、焼き込み調理パンなどの惣菜系のパンも多い。しかし、これらが売上げのピークを迎えるのは、夕方よりむしろ朝や昼時のはずだ。 「夕方以降もよく売れるのは、食パンや甘い菓子パンですが、夕方以降も昼間と変わらないように充実した品揃えを目指しています。温かい調理パンが常にあるように、様子を見て昼間より少数ずつ、焼きたてを出していきます」(店長の河内克利さん) フランスパン生地に具をのせて焼き上げた「バジルトマト」(190円)や、食パン生地にじゃがいも、コーン、チーズなどをのせて焼き上げた「じゃがべえ」(190円)など、焼き込み調理パンは、20種類ほどある。夕方以降も、そのうちの15種類ほどは焼きたてを出すようにしている。 |


閉店時まで焼きたてのクロワッサンが買える店 | |||||||||||||
東京・世田谷区の東急田園都市線・三軒茶屋駅から世田谷通り沿いに7分ほど歩くと見えてくる小さなフランス国旗。このフランス国旗と紺色に近い青色の外観が目印の、ブーランジェリーパティスリーの「レ・サンク・サンス」は、フランスの伝統的製法を基軸に、パンと菓子を作る店だ。 同店が開店する時刻は朝8時。それから長い1日が始まって、13時間後の夜の9時に閉店する。 「ピークはやはり昼時です。最も多いのが主婦の方で、あとは近隣のオフィスで働く会社員の方なども目立ちます。また、ピークは昼だけでなく、夕方以降にもあります。7時から閉店する9時までの間ですが、会社帰りの方が多くいらっしゃいます」(店長の本地昌谷さん) 最寄駅の三軒茶屋駅は、渋谷駅から電車で4分と近い。しかし古くから東京の下町として栄えてきたこともあり、小さな商店や住宅が多く立ち並び、住みやすい町として知られている。駅周辺には、24時間営業のスーパーが数軒あることからも、夕方以降の人の流れが多いことがわかる。 夜、仕事を終えて家に帰る人々が、つい立ち寄りたくなる同店の魅力の1つとも言えるのは、「クロワッサン」(210円)が、焼きたての状態で買えることだろう。 「クロワッサン」は、平日は40個、土日は80個を売り上げる同店の看板商品だ。 「7時以降も『クロワッサン』を目当てに来られる方は多くいらっしゃいます。売り切れていると分かると、出て行かれてしまうこともありますので。また、『クロワッサン』を買われる方は、バゲットやお菓子なども一緒に購入されることが多いです」(本地さん) 「クロワッサン」の最終窯入れは、午後7時。窯入れ前に発酵をとる必要があるので、7時に焼き上げるために、午後3~4時に何個焼くかを判断しなければならない。 「その日の売れ行きを見ながら判断するしかないですが、『クロワッサン』は当店の看板商品ですから、ある程度強気で出すようにしています。売れ残ってもいいというくらいに数を設定して、閉店するまで陳列しているようにしています」(本地さん) 売れ残った「クロワッサン」は、ピスタチオの緑色が目を引くクロワッサンザマンドの「ピスターシュザマンド」(380円)にしたり、ラスクなどに2次加工したりする。そのまま廃棄することはない。 「クロワッサン」の生地を使って作る「パン オ ショコラ」(240円)と「クロワッサンソーセージ」(290円)も1日に数回焼き上げ、焼きたてを重視して提供している製品。 焼き上がったばかりの「パン オ ショコラ」のプライスカードには、「焼きたて」と書かれた赤い札が付けられていた。これら2製品の製造作業は、「クロワッサン」を作る工程の中に無理なく組み込めるという。 |

「クロワッサン」のほかにも、夕方以降焼きたてを重視して提供している製品として、「サンドイッチアルザシアン」(380円)などの焼き込み調理パンがある。 「サンドイッチアルザシアン」は、ゴマやケシの実、オーツ麦、亜麻仁などを練り込んだパン「プチセレアル」(140円)の生地を使って作るドッグパンに、キャベツの酢漬け、ジャガイモ、粗挽きソーセージをサンドし、チーズやマスタードをトッピングして焼き上げた製品。温かい状態だと、とろけたチーズと、ソーセージやパンが一体となって、よりおいしく食べられる。 「昼どきは『バゲットカンパーニュ』(300円)を使ったサンドイッチを4種類出しているのですが、作りたてがおいしいので、午後2~3時頃には売り切るようにしています。夕方以降は、バゲットサンドは作らず、その代わりに、『サンドイッチアルザシアン』のような焼き込み調理系のパンを、少数ずつ焼いて、夕方でも、焼きたてを買っていただけるようにしています」(本地さん) 「サンドイッチアルザシアン」に使うドッグパンは、冷蔵保存していつでも取り出して使えるように準備している。朝、「プチセレアル」を焼くときに一緒にまとめて焼いておいたものを、冷蔵庫にストックしておくのだ。作るときには、冷蔵庫からドッグパンを取りだし、切り込みを入れ、具材をサンドして4~5分焼成する。作り始めてから出来上がるまで10分もかからない製品だ。 ピザ生地にトマトソースとハーブ類をトッピングして焼き上げた「うす焼きプロヴァンスピザ」(310円)も、作り始めてから短時間で出せる製品だ。ピザ生地は薄くのばすので、焼成時間も短くで済む。酒に合うので、夕方以降の売れ行きも良い。 菓子類もよく売れるという。ブーランジェリーパティスリーの同店では、フランス菓子も充実している。フランスブルターニュ地方の伝統菓子「ファブルトン」(200円)のほか、「フラン」(250円)などのタルト2種類、「マカロンショコラ」(180円)などのマカロン5種類などをラインナップ。さらに、「サブレナチュール」(500円)などの焼き菓子もある。 「閉店間際に来店されて、サブレを買っていかれる方もいらっしゃいます。あとは、パンと一緒に、食後のデザートとして菓子を買われる方も多いと思います」(本地さん) 菓子類の製造は、夜7時に最後の「クロワッサン」を焼成した後、その余熱を利用して主に行っている。160~180度Cに温度が落ちた頃、サブレやマカロンなどを焼き、さらに120度Cくらいに落ちたら、ラスクを焼成する。また、菓子類は日持ちがするので、パンが品薄になったときにも店頭に何もなくなってしまうという事態にならずに済む。このように、菓子類の存在も、営業時間の長い同店にとって欠かせないが、看板商品の「クロワッサン」の焼きたてが、夕方以降も手に入るということこそ、同店の最大の魅力となっているといえるだろう。 レ・サンク・サンス 住所:東京都世田谷区若林1‐7‐1 プチピエール三軒茶屋1F 電話:03‐6450‐7935 営業時間:午前8時~午後9時 定休日:なし 品揃え:60~70品目 スタッフ:製造3人、販売1~2人 店舗面積:厨房10坪、売り場6坪 日商:平日9万円、土日16万円 |
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