第51回通常総会を開く、市場の創造と拡大 - 日清製粉 - ブランスリー電子版


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ブランスリー新聞/2012年8月号

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第51回通常総会を開く、市場の創造と拡大 - 日清製粉
あいさつする田中利幸理事長
 協同組合日本製パン製菓機械工業会(田中利幸理事長)は5月24日、宮城県仙台市のホテルきよ水で、第51回通常総会を開催した。
 総会には、組合員88社のうち、委任状出席21社などを含めて84社が出席、田中利幸理事長を議長に選出し、「平成23年度事業報告並びに決算報告承認に関する件」「平成24年度事業計画に関する件」「平成24年度収支予算並びに経費の賦課徴収方法と加入金額に関する件」「第26期役員選任に関する件」などの議案をすべて原案通り可決した。
 理事長には、三幸機械の田中利幸社長が再任された。また、カジワラの梶原秀浩社長が常務理事に選任された。
 総会で田中理事長は次のようにあいさつした。
   ◇
昨今の経済状況は、東日本大震災の影響がまだまだ尾を引いており、相変わらず厳しいということには変わりがないのですが、最近のいろいろな報告等を見てみますと緩やかに上昇しつつあるという状況になってきたようです。
 政府の復興予算の執行もあり、建築関係を中心に相当忙しい業界もあるということですし、我々が関心のある個人消費の面では、消費者マインドが年開けからだいぶ回復してきたように思います。ちなみに、東京スカイツリーの開業は、あいにくの曇り空、雨空でしたが、相当大勢の人が集まってきていたということで、やはり消費者もいろいろなことをやりたいんだというひとつの現れではないかと思います。
 その中で、我々産業界として一番の「またか」というのは、やはり「円高問題」です。これが、我々のビジネスに直接、間接的に影響があるのですけれども、ギリシャの経済破綻、というより国家破綻のような不安からのユーロ不安から、そしてアメリカもやっと景気が回復したと言いながら、やはり思ったように個人消費が伸びないということで、またしても投資家が円買いに走ったことで、日本の経済の実力に関係ないところで円高が進み、我々の輸出等の業務に非常に大きく影響するという、大変悩ましい現実があります。
 そんな中で、我々のユーザー業界であるパン業界・菓子業界は、微増または微減ということで、この数年間ほとんど変わらないという状況です。この状況で、パン業界・菓子業界の消費や生産力が向上しないのは大変だという見方と、安定した需要が確実にあるからそれはそれなりの対策を立てていくべきだという見方があると思います。
 我々機械工業会の昨年の売上高は、パン機械が約8%の大幅ダウン、菓子機械が約2%微増ということで、パン機械・菓子機械トータルでは3・6%のマイナスとなり、やはりユーザー業界の状況を反映して、この数年間ほとんど変わらないという状況となっております。
 このような状況で、市場のパイが変わらないからと我々はあきらめる訳にはまいりません。何とか創意工夫で市場のパイを広げることができないかということで、やはり我々の一番の関心事は、市場とマーケットということだと思います。
 そこで、市場を求め開拓するためには、「市場の創造」と「市場の拡大」の二つが重要になってまいります。
 「市場の創造」が必要なのは、日本国内においてです。私は、日本はアジアの各国から見たら特殊な国であると判断しております。それは、日本の市場では、高品質や安全・衛生、環境問題や省エネなどに対応できる非常に高度に研ぎ澄まされた技術を要求され、消費者も望むということで、我々もそういうことを当たり前のようにやっているからです。そして、先ほど申しあげた安定した国内需要の中で、新しい需要の変化を提案しなければ市場のパイは広がりません。つまり日本市場は、我々機械設備メーカーとして何か新しいモノを創造しなければいけない大変厳しい市場だと思っております。
 一方、「市場の拡大」ということでは、海外とりわけアジアに目を向けますと、今月開催されたベーカリーチャイナには大変多くのお客様がいらしていて、中国ではパン・菓子が毎年25%ずつ伸びているという現実をまざまざと見せつけられたわけです。それだけ市場が拡大していると、やはりあれだけの熱気が感じられる訳であり、まさに海外市場こそ成長市場であるということをあらためて感じた次第です。そうであれば、我々もその市場を何とか取り込んでいかなければなりません。
 また、将来競合するであろう中国メーカーの現状をみますと、品質においては日本のメーカーとはまだ相当の乖離があります。しかしながら、この10年間の進歩にはもの凄いものがありまして、単なる日本の機械のコピーというレベルから脱し、必ずや将来我々と同じアジアマーケットで競争相手になってくるという印象を今回受けました。
 この「市場の拡大」は、工業会として取り組んでいくべきものとして、今年度の事業活動の中でも引き続き行っていく予定としております。
 また、今年度の事業活動には、従来のものに加えて組合創設50年記念事業がございます。加えて、来年3月には2013モバックの開催もございます。その他の事業についても、我々がやろうとしていることは、すべて会員あるいは賛助会員の皆さんの市場の獲得に繋がるものであり、そういうことを踏まえ、ぜひ皆様には今年度も大いに当会の事業活動に参画していただき、大いなるメリットをご享受いただきたいと思います。









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