顧客とのやりとりのツール、舞台裏も伝えていきたい - パン工房どりーむ - ブランスリー電子版


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デジタルベーカリー/2003年3月号

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顧客とのやりとりのツール、舞台裏も伝えていきたい - パン工房どりーむ

パン工房どりーむホームページのトップページ


店やスタッフについて紹介したページ。関根さんは、今後はこうしたページをさらに充実させていきたいと考えている。


ネットで販売する商品を掲載したページ。ネットだけで販売する「摩周の霧水食パン」を大きく紹介している。買い物かごのシステムを導入し、閲覧者が簡単に商品を購入できるようにしている。
http://www.bread-dream.com/
〒088-2311 北海道川上郡標茶町開運2-1-1
電話01548-5-1635
営業時間 午前8時~午後8時まで
定休日 日曜日

ネット限定の商品を開発メールで顧客の本音がわかる
 「摩周の霧水食パン」(800円)。摩周湖の地下130メートルから涌き出る水、摩周の霧水をブレンドした製品。
 北海道川上郡標茶町のパン工房どりーむは昨年5月にホームページを立ち上げた。「摩周の霧水食パン」は、パン工房どりーむのネット限定商品としてデビューした。「北の自然の透き通った味、摩周の霧水ブレンドの食パンです。ここ、標茶町は摩周の源泉の近郊に位置しています。日本一の透明度を誇る神秘の湖、摩周湖の地下130メートルから届いた新鮮な湧き水は、そのまま飲んでも美味しいもの。私どもはそんな霧水をブレンドした食パンを作りました」とホームページに掲げた。
 同ベーカリーは2000年、北海道川上郡標茶町にオープン。昨年10月には、釧路市にベーカリーカフェ形態の2号店を出店した。特に2号店は好調で、日商40~50万円を維持しているという。
 同ベーカリー社長の関根寛文さんは「ホームページを見たお客様が、各店舗のよいところ、改善すべきところなどを素直に指摘したメールを送ってきます。面と向かっては言いづらいことも、メールだと言っていただけるようです」と話す。
 店員の髪の毛や接客態度、商品などについての意見がメールで寄せられる。
「朝、パンをたくさん並べてほしい」などすぐにでも反映した方がいいと明らかにわかる声もあるが、中には、とり入れるべきかどうかの判断が難しい意見もある。また、本店と2号店を比較して意見を送ってくる人も多いという。
 例えば、サンドイッチの包装形態。本店では、透明のOPP袋に入れていたが、「つぶれやすい」などの声が多かったため、2号店では「カチットパック」と呼ばれるプラスチック製の容器に切り替えた。
 あるとき、顧客の1人から「同じ商品でなぜ20円高いのか」というメールが来た。
 関根さんは、「つぶれやすいという意見が多かったので2号店では容器を変えました。20円高くなったのは容器代の分です」と誠意を持って回答したが、完全には納得してもらえなかったという。
業者らしき筋からのやっかみ半分のメールもあるそうだ。
 「製パンの専門用語を使ったりする、どう考えても業界関係者としか思えない人からのメールも、特に2号店を出したあと、多かったように思います」と関根さんはいう。
 いずれにしても、本音に近い声が得られるのは貴重だ、と関根さんは考えている。

ネット売上自体はまだ少ない。有力な販促ツールとして活用
 一方で関根さんは「ネット販売は、扱えるのが日持ちする商品に限られます。生クリームやカスタードなどのなまものが入ったパンや、調理パン、焼き込み調理パンは一切販売できません」と指摘する。
 「ネット販売を繁盛させるのははっきり言ってそう簡単ではないと思います。遠方の人から注文が入った場合、届くまでに時間がかかるので、新鮮さの点では当然ながら不利です」
 ネットデビューを果たした「摩周の霧水食パン」も今のところ思ったほどの売れ行きにはなっていないそうだ。
 しかし、戦略はある。「パンがお客様に届いて、口に入るときにいかにおいしい状態に保つかが大切」との観点から、揚げた状態で現在は販売しているボール状のドーナツの「ぼーず」という商品を冷凍生地の状態で販売することを計画中だ。
 「そのまま揚げて食べてもらえれば、一番おいしい状態を味わっていただけますから」と関根さんはいう。
天然酵母を使った商品をネット販売用に開発する計画もある。日持ちの点で有利、との判断からだ。
 同ベーカリーには、外販部門もあり、インターネットで注文してきた人が比較的近隣に住んでいる場合は、積極的に営業をかけるという。
 関根さんは、現在のところホームページを、店の宣伝をし、顧客の意見を吸い上げるツールとして捕らえている。
 さらに、今後はベーカリーの製造現場の様子をホームページを使って詳しく伝えていこうと考えている。
 「どんな人がどんな材料を使ってどんな風に作っているかをお客様はやはり知りたがっていると思います」
 ホームページを立ち上げておよそ6カ月。まだアクセス数もそれほど多くないが、顧客とのコミュニケーションの有力なツールであることは確かだ。







原価計算女王
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