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講習会/2011年7月号 |
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■ムース ショコラ キュイ!? | |
ホワイトチョコレートをオーブンで焼いて練るという珍しい製法を使ったシェフの自信作
ビスキュイジョコンド 【配合グラム】 薄力粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100 粉糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥375 アーモンドパウダー‥‥‥‥375 全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥500 トリモリン‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30 卵白‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥325 グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥60 バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥75 【工程】 ①薄力粉、粉糖、アーモンドパウダー、全卵、トリモリンをミキサーに入れて泡立てる ②卵白にグラニュー糖を3回にわけて加え、メレンゲを作る ③[1]と[2]を混ぜ合わせた中に、溶かしたバ ターを加え、均一になるまで混ぜ合わせる。 ④シルパットを敷いた天板に[3] を流してパレットで平らにする ⑤スチームコンベクションオーブン「ベイキープロ」で、170度Cで12分焼成する。余熱は、180度Cに設定しておく シャンティーココ 【配合グラム】 ココナッツピューレ‥‥‥‥640 ゼラチン‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10 ココナッツリキュール‥‥‥‥‥40 グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥160 生クリーム(乳脂肪分35%)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥960 【工程】 ①ココナッツピューレの一部を温め、水で戻したゼラチンを加えて溶かし、ココナッツリキュールを加える ②生クリームにグラニュー糖を加えて8部立てにする ③[1]と[2]を混ぜ合わせる ムースショコラキュイ 【配合グラム】 ホワイトチョコレート‥‥‥684 グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥54 水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥適量 卵黄‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥82 ゼラチン‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9 生クリーム(乳脂肪分40%)‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1026 【工程】 ①事前準備として、ホワイトチョコレートを120度Cのオーブンで1時間ほど焼いてチョコレートペーストを作る。途中3回ほどオーブンから取り出してヘラで練る ②グラニュー糖と水を鍋に入れて火にかけ、116度Cまで煮詰める ③ミキサーで泡立てておいた卵黄の中に[2]を注ぎいれてパータポンプを作る ④[1]を温めて溶かした中に、6部立ての生クリームを、一部入れてよく混ぜ合わせる ⑤[4]に水で戻したゼラチンを加えて混ぜる ⑥[5]に[3]を加えて混ぜ合わせる ⑦[6]に残りの生クリームを加えて混ぜる 底敷用サブレ 【配合グラム】 薄力粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥876 粉糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥402 アーモンドパウダー‥‥‥‥760 塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9 バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥810 全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥135 【工程】 ①薄力粉、粉糖、アーモンドパウダー、塩、バターをボウルに入れて手ですり合わせ、そぼろ状にする ②[1]に全卵を加えてまとめ、冷蔵庫で冷やす ③[2]を2・5ミリの厚さにのばし、10センチ×3センチにカットして天板に並べる ④石窯デッキオーブン「平窯王」で上火170度C火力4、下火170度C火力1で13分、ダンパーを開けた状態で焼成する 【組み立て】 ①ビスキュイジョコンドは2枚とも、表面にグラニュー糖をふり、キャラメライザーを用いて2回キャラメリゼし(写真1)、57センチ×37センチ×4センチの型に合わせてカットしておく ②57センチ×37センチ×4センチの型に[1]のビスキュイ ジョコンドを1枚、キャラメリゼした面を下にして敷き込む ③[2]の上から、シャンティーココを流し込んで表面を平らにし、冷凍庫で冷やし固める ④[3]の上から、ムースショコラキュイを流し込んで表面を平らにし、その上に残りの1枚のビスキュイジョコンドをキャラメリゼした面を上にしてのせる ⑤10センチ×3センチにカットして底敷用サブレの上にのせる ◇ 捧シェフのコメント 店では平窯王を使っていて、今回初めてベイキープロを使った。以前、他社のコンベクションオーブンで焼いたときと比べると、今回は温度設定を10~20度C低くしても充分焼けた。さらに、焼いている途中で段を差し替える必要があるかと思ったが、その必要もなく、均一にムラなく焼けた。また、平窯王と比べると、5分ほど焼き時間を短縮できた。ホワイトチョコレートをオーブンで焼くという手法は、チョコレートのタブーとされていることにあえて挑戦したもの。結果、独特な風味を付けることができていると思う。ビスキュイジョコンドのキャラメリゼを2回しているのは、焦げた風味が食べたときに重要だから。それだけでなく焼成後は、できれば「パティスリーチラー」に入れて、風味を閉じ込めた方がいい。 |

■米粉ロール | |
しっとり感と厚みのある焼き上がりのロールケーキ
【配合グラム】 卵黄‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥480 グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥204 卵白‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥564 グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥300 薄力粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥162 米粉(製菓用)‥‥‥‥‥‥162 サラダ油‥‥‥‥‥‥‥‥‥150 【工程】 ①鍋に卵黄とグラニュー糖204グラムを入れて40度Cまで温め、ミキサーボウルに濾しながら入れて高速でミキサーを回す ②卵白にグラニュー糖300グラムを3回に分けて入れてメレンゲを作る ③[1]と[2]を合わせる ④[3]に振るった薄力粉と米粉を加えて混ぜる ⑤[4]に40~50度Cに温めたサラダ油を加え混ぜる ⑥紙を敷いた天板に[5]入れて平らにする ⑦石窯デッキオーブン「平窯王」で上火180度C火力7、下火180度C火力5で15分焼成する ⑧粗熱が取れたら、焼き面を上にして▼和三盆クリームを塗り、ロール状に巻く。巻くときはクリームを塗った上からヘラなどで横線を引いておくとスポンジの割れを防ぐことができる。巻き始めは、指で軽く折り込む(写真2) ▼和三盆クリーム 乳脂肪分40%の生クリーム1000グラムに、和三盆糖80グラムを入れてホイップする ◇ 捧シェフのコメント 平窯王は、使い慣れるまでに3カ月はかかったが、いい意味でクセのあるオーブンで、今はなくてはならない存在。米粉ロールのように、ある程度生地に厚みのある製品をふんわりしっとり焼けるのは、平窯王だからこそだと思う。生地の上がりもいい。米粉は、使い方によってはもちもち感を出すことができるが、このロールではしっとり感と歯切れの良さを生かしている。米粉製品は最近どこの菓子店でもよく見かける。自分の出身地が新潟県なので、将来的には新潟県の米粉を使っていきたいと思っている。今回のレシピのように卵白に対して砂糖の割合が多いメレンゲの場合、砂糖を入れる前の泡立てを充分にやっておくことが大切。気泡をしっかり入れておくことで、口当たりなめらかな食感に仕上がる。 |

■プログレ | |
アーモンドパウダーではなく、ノワゼットパウダーを使ったメレンゲ菓子の中でも革新的な一品
【配合グラム】 卵白‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥240 グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥150 粉糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥200 ノワゼットパウダー‥‥‥‥120 ノワゼットアッシェ‥‥‥‥‥適量 【工程】 ①卵白にグラニュー糖を3回に分けて入れ、メレンゲを作る ②粉糖とノワゼットパウダーを合わせてふるい、[1]に加えて混ぜる ③シリコンペーパーを敷いた天板に絞り、ノワゼットアッシェをトッピングする ④石窯デッキオーブン「平窯王」で上火120度C火力4、下火120度C火力4で1時間30分ダンパーを開けた状態で焼成する ◇ ツジ・キカイ山根証社長のコメント 石窯は、メレンゲ菓子が不得意だとよく言われるが、メレンゲ菓子もおいしく作れるということを、体感して納得してもらいたいと思い、捧シェフにリクエストした。 ◇ 捧シェフのコメント 店でも、メレンゲ菓子は平窯王で焼いている。軽い食感で、おいしく仕上がる。メレンゲを焼いたものをモンブランの土台に使っているが、長時間クリームと触れているのに、さっくりとした食感が持続する。これは平窯王で焼いたメレンゲならではのことだ。メレンゲ菓子のコツは、状態の良いメレンゲを作ること。このレシピでは、ノワゼットパウダーに多量の油脂分が含まれているので、メレンゲの状態が不安定になりやすいため、よりしっかりとメレンゲを立てる必要がある。 |
■サブレラメール | |
【配合グラム】
薄力粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥1018 粉糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥466 アーモンドパウダー‥‥‥‥882 海藻バター‥‥‥‥‥‥‥‥940 全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥158 【工程】 ①薄力粉、粉糖、アーモンドパウダー、海藻バターをボウルに入れて手でそぼろ状になるまですり合わせる ②[1]に全卵を入れて混ぜる。生地がまとまったらラップを敷いたバットの上に生地をのせ、冷蔵庫で冷やす ③3・8ミリの厚さにのばし、菊型の7番で抜く ④片面にグラニュー糖(配合外)をまぶし、まぶした面を上にして天板に並べる(写真3) ⑤石窯デッキオーブン「平窯王」で上火165度C火力4、下火165度C火力1で20分間、ダンパーを開けた状態で焼成する ◇ 捧シェフのコメント 平窯王とベイキープロで焼き比べをすると、ベイキープロの方が2~3分くらい早く焼けるので、サブレなら、コンベクションオーブンのベイキープロの方が向くのではないかと思う。しかし、店の商品はすべて平窯王ですべて焼いていて、満足のいく味に仕上がっている。海藻バターは、フランス料理店で働いていたときに出合った。海藻そのものが練り込まれているので、噛んだときに海藻に当たると磯の香りがして面白い。風味と食感を生かすために、シンプルなサブレ生地と合わせた。ケーキ店だけでなく、レストランの経験もあることが、食材の幅を広げるのに繋がったと思っている。 |
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