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講習会/2010年11月号

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2010秋の製パン講習会-柏木商事
講師を務めたデイジイの倉田博和氏
講師を務めたBon Vivantの児玉圭介氏
 柏木商事(東京・板橋区、柏木良三社長)は9月7日、東京・中央区の日清製粉本社加工技術センターで「2010秋の製パン講習会」を開催。同社専務の下平正美氏は「猛暑で苦戦したベーカリーが多いと思うので、秋冬の商戦で頑張ってほしい」と挨拶。講師を務めたデイジイの倉田博和氏とBon Vivant(ボンヴィボン)の児玉圭介氏の両氏は、クロワッサンやバターロールなどの食事パンや、ドーナッツやあんぱんなどの菓子パンを実演。倉田氏は「どのベーカリーでも、売れるのは食パンやバターロールなどの食事パン」として、食事パン生地を使ったアレンジメニューも豊富に紹介した。



黒米コッペパンのバターサンド
生活習慣病に効果のある黒米を使った食パンのバターサンド

【配合%】
強力粉(カメリヤ)‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
砂糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
塩(シママース)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
脱脂粉乳・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・・・3
練乳・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・・2
イーストフード(ピュアナチュラル碧)‥‥0.1
バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6
黒米‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥25
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥68
生イースト‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2.5
老麺生地(前日仕込んだフランスパン生地をパンチ後、とっておいた生地)‥‥‥10
【工程】
ミキシング‥‥L3分H6分(バター投入)M4分
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥27度C
フロアタイム‥‥‥‥‥‥‥室温1時間5分
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥28度C50分
分割‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・80グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20分
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥コッペパン形
焼成・・上火190度C下火210度C45分
▼仕上げ
黒米コッペパンを真ん中でスライスし、栗のペースト20グラムとつぶあん20グラムを混ぜたものを塗る。さらに板状にカットしたバター20グラムに黄な粉と砂糖をまぶしたものをサンドする



カンパーニュ生地を使った丸パン
焼き上がった丸パンを、ドライフルーツトマトなどを間に挟んで3つ串刺しにする
Bon Vivantでは常連客からリクエストがあったグリッシーニの形も製造。80グラムに分割して成形
女性好みの干し柿のような食感と味のデーツを入れたカンパーニュ生地で作る丸パン。「むにゅっ」とした食感が特徴

【材料】
グラハム(全粒粉)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
アーレファイン(ライ麦粉)‥‥‥‥‥‥‥15
リスドオル(フランスパン用粉)‥‥‥‥‥80
老麺‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
インスタントドライイースト(赤)・・・‥‥‥・0.6
クレームドルヴァン(クリーム状のルヴァン種)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥68
モルト(ユーロモルト)‥‥‥‥‥‥‥‥0.2
デーツ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥L4分M6分(デーツ投入)
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥24度C
フロアタイム‥室温1時間10分(パンチ)40分
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥28度C40分(若めにとることで食感が「むにゅっ」とする)
分割‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20グラム
ベンチタイム・‥‥‥‥‥‥‥‥‥常温30分
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥丸形
焼成‥‥‥‥‥‥‥220~230度C16分(スチーム注入。フランスパンの焼成時間と同じ位)



干し柿のような食感と味の「デーツ」
使用するときは写真(手前)のように刻んで使うと良い
 日本で「なつめやし」とも呼ばれるデーツは、南アフリカの砂漠地帯で多く生産されている。クレオパトラにも栄養食として好まれていたという歴史がある。ビタミンやミネラルが豊富で、健康的な食材のデーツは、今後注目すべき食材だ。「味や食感は干し柿と似ていて、女性が好む食材といえる。また、デーツはお好み焼きのソースの甘味として使われることがあるので、日本人の舌に慣れている味」と児玉氏。また、デーツの香りはルヴァンとの相性も良いという。



十勝あんぱん
たっぷりのあんを包むのは、薄皮で、さくっとした食感の生地。この食感を出すには、油脂を入れるタイミングに気をつける

【材料】
強力粉(カメリヤ)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥90
薄力粉(バイオレット)‥‥‥‥‥‥‥‥10
砂糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
塩(シママース)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1.8
脱脂粉乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
イーストフード(ピュアナチュラル碧)‥‥0.1
全卵・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
油脂‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
酒種(ポルテ豊潤酒種)‥‥‥‥‥‥‥‥5
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥42
赤えんかのこ(やわらかめが良い)‥‥‥40
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥L3分M6分(油脂投入)M4分(ミキサーから生地を引き上げ、赤えんかのこを入れ、手で混ぜ合こむ)
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥27度C
フロアタイム‥‥‥‥‥‥‥‥‥常温1時間
分割‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥‥‥常温40分
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥こし餡20グラムを包み、上部に卵黄を刷毛で塗る
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥38度C30分
焼成‥‥‥上火190度C下火200度C10分

あんぱんは店の売れ筋?

 「あんぱんはどのベーカリーにも大抵ある商品だが、もっと売りたいと思ったら、酒種で風味を足すと良い。今回使った酒種は、塩分を含まないので使用量に気を使わなくて良いが、10%を上限としたい」と児玉氏。さらに、「今の主流はもっちり、しっとりとした生地で作ったあんぱんだが、あえて、さく味のある食感の薄皮で特徴を出した。そのためには、ミキシング時間よりも、油脂を入れるタイミングを見定めることが重要」と述べた。

原価計算女王
原価計算女王
クロワッサンとバターロール生地でメニューを展開
ココア生地を巻き込んだマーブル模様のバターロールを6つ繋げ、上にそぼろ状のバターをまぶしたパン
ナタデココとフルーツをトッピングしたり、常温でも溶けない「アガー」を使ったゼリーをのせたデザート感覚のデニッシュ
クロワッサン生地で作ったデニッシュに、ホタテフライをのせてタルタルソースを絞った。見た目にもボリュームのある商品
 倉田氏は、食事パン生地を使ったアレンジを紹介。「大きなパンを並べると、店内に迫力が増してアクセントになる。ファミリー向けに作ると良い」と述べ、バターロールを6つ繋げた大型のパンを紹介。バターロールはチップ状のマーガリンを巻き、よりしっとり感を出している。このほか、ココア生地を巻き込んだマーブル模様のバターロールを6つ繋げ、上にそぼろ状のバターをまぶしたパンなどもバターロール生地で作れるアレンジ商品として紹介した。
 クロワッサン生地を使ったアレンジメニューは、ホタテフライをのせてタルタルソースを絞ったものや、ナタデココとフルーツをトッピングしたもの、常温でも溶けないアガーを使ったゼリーをのせたものなど、見た目にもボリュームのある商品を紹介した。


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