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いろいろ、エッセイ/2009年9月号 |
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厳しい時代なだけに一人一人のお客様を大切にしたい - 武市 多美夫(パンを売り続けてきた男)
いろいろ、エッセイ(33)
時が過ぎるのは早いもので、今年も既に半分以上のカレンダーを剥ぎ取った。 関東のとある百貨店では、売れ残った中元品をバラ売りして好評とのこと。百貨店がやるという安心感もあってか、この企画の実績だけは好調らしい。綺麗な箱にセットされた品々だが、一つ一つの製品の魅力で勝負するバラ売りは、ある意味、当然の販売方法と言える。 経済が順調な時にはイメージを大切にする百貨店では考えられなかった販売方法だ。物事を変える時、何かを失うことが多々あるが、百貨店は何を失い、何を捨ててしまったのか。 全国百貨店の6月期売上は昨年より8・8%ダウンしたとの発表があった。 厳しい経済状況が続いていることに変わりはなく、心して商売に励みたいと思っている昨今である。 先の号で門前払いを受けたことや、長時間怒鳴られたりしたクレームの内容を報告させていただいた。今回も私が経験した内容を報告し、何らかの形で皆様の参考になればと思っている。食パンにカビが発生してクレームになった時のことだ。電話を頂戴して直ぐにご自宅まで訪問して、誠心誠意、謝罪と原因と対策を話した。しかし、なかなか了承をいただくことが出来ず、お客様から「もっと誠意を見せろ」との要求がでた。粘り強く誠意を持って対応したが何度となく要求が繰り返された。 しつこく「誠意を見せろ」と言い続けるのは金銭を要求していると見てよいが、特別な理由がない限り金銭では解決しないことだ。 お客様が購入した食パンの代金を返却し、謝罪の為の心ばかりの品を沿えて誠意を持って対応することに終始するのが望ましい方法である。 次も私が経験したことだ。県内でも幾つかの百貨店に入っている有名な漬物屋の製品の中にガーゼが混入していた。私は直ぐに裏ラベルの電話にクレームを入れた。「担当者は外出しており直ぐにこちらから、ご連絡します」の言葉を信じて電話を待ち続けること6時間。担当者と称する人が訪れて「これは酷いですね」と、まるっきり他人事の回答。 原因も製造工程の説明も対策もなし。謝罪も受けたかどうか、記憶に残っていない。 待たされ、誠意も見られない担当者の態度に呆れて、もう3年以上前のことだが、その件があって以後、その会社の漬物は買ったことがない。多分これからも他社の漬物を買うことになるはずである。 厳しい時代なだけに一人一人のお客様を大切にしたい。 |



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