製パン技術特別講習会 - ブランスリー電子版


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講習会/2008年3月号

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製パン技術特別講習会

講師を務めたクリストフ・クレッサン氏
 愛工舎製作所(本社・埼玉県戸田市)主催による「製パン技術特別講習会」が2月6日、同社講習会場で行われた。講師は、製パンのMOF(フランス最優秀職人賞)を獲得しているクリストフ・クレッサン氏。同氏は講習品目について「私自身が食べておいしいと思うものを提案した。販売する場合は、各地域の嗜好の違いを考慮に入れて、工夫を加えてほしい。日本でも人気が出る可能性があるのではないか」と語った。



バゲット・トラディション・オ・セレアル・スル・ルヴァン・リキッド


【配合%】(小麦粉2キロ仕込み)
ブション(フランスパン用粉)‥‥‥‥‥‥60
ドヌール(フランスパン用粉)‥‥‥‥‥‥40
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥60
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2・5
液体天然酵母‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥25
生イースト‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・5
小麦胚芽‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・5
ゴールドマルツ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・3
白ゴマ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥120グラム
亜麻仁(アマニ)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥90グラム
オート麦フレーク(オートミール)‥‥‥90グラム
水(雑穀を浸すためのもの)‥‥‥‥300グラム
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥L2分(オートリーズ30分、胚芽投入)L7分M3分(水に浸しておいた雑穀=白ゴマ、亜麻仁、オート麦フレーク=投入)L2分20秒
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥24度C
一次発酵‥‥‥‥25度C75%1時間15分
分割‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥300グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30分
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥キャンパス地に生地の閉じ口を上にして置く(転がしながら若干力を入れ生地を絞める。また、成形後に粉をふるうと、昔ながらのくすんだ色を出せる)
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥25度C75%1時間
焼戌‥‥‥上火250度C下火250度C21分
※オートリーズ使用により、窯伸びがよくなり、日持ちもうまれる。



パニーニ・スル・ルヴァン・リキッド
【配合%】
ブション(フランスパン用粉)‥‥‥‥‥‥60
ドヌール(フランスパン用粉)‥‥‥‥‥‥40
水(20度C)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥62
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2・5
液体天然酵母‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30
生イースト‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・8
オリーブオイル‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥L3分M7分(オリーブオイルは生地の伸展性がついてから入れる)
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥24度C
一次発酵‥‥‥‥‥‥‥25度C75%30分
分割‥‥‥‥‥‥‥‥150グラム(軽めに丸める)
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30分
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥小さなバゲット形にして休ませた後、麺棒で少し平たくする。厚さは0・5センチ。生地が乾燥しないようにビニールをかぶせる(当日はノーマルなものと、バジルをトッピングしたもの2種類を作った)
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥25度C75%45分
半焼成‥‥‥‥‥‥‥‥上火240度C下火240度C3分(スチームは、前100CC、後200CC。焼成後網にのせて、しっかり粗熱を取る)
※その日に食べるサンドイッチ用なので発酵も焼成が短い。一次発酵を長く取れば日持ちのする製品になる。
※生地温度は、冬は25~26度C。夏は22~24度C。
※このパンを使ったサンドイッチの製法については次ページを参照。



プレスト(パニーニを使ったサンドイッチ)
具材は、バジルペースト、トマト、モッツァレラチーズ。
【材料】(パニーニ=150グラム=10個分)
〈バジルペースト〉 
生のバジル‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2束
ニンニクかけら‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5粒
松の実‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40グラム
粉末のパルメザンチーズ‥‥‥‥‥‥20グラム
オリーブオイル‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥適量
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥適量
【製法】
〈バジルペースト〉
(1)洗ったバジルの葉をニンニクかけらと一緒につぶし、そこに粉末のパルメザンチーズを加える
(2)松の実をミキサーにかける
(3)[2]を[1]に混ぜる
(4)オリーブオイル(今回は70グラムを使用)を[3]に少しずつ加え、クリーム状にする
(5)[4]に塩を加える
(6)ラップをして、冷蔵庫で保存
【材料】(パニーニ=150グラム=10個分)
〈仕上げ〉
モッツァレラチーズ‥‥‥‥‥‥‥‥400グラム
トマト‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6個
サラダ菜‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥適量
(1)パニーニを横に4分の3程度までカットして
開ける
(2)バジルペーストを薄く塗る
(3)サラダ菜をのせる
(4)モッツァレラチーズとトマトを交互にのせる
(5)パニーニを閉じる
※出来上がった製品はラップをして、冷蔵ショーケースに並べておいて、お客の注文を受けたらグリルベーカーで焼く。この際、中の具まで熱くする必要はない。その場で提供出来るのがよい。



ヴェネチア(パニーニを使ったサンドイッチ)
具材は子牛肉カツレツ、レモンソース、ゴルゴンゾーラチーズ
【材料】(パニーニ=150グラム=10個分)
〈子牛肉カツレツ〉
子牛もも肉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥400グラム
卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1個
レモン果汁‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1個分
パン粉、オリーブオイル、塩、こしょう‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ともに適量
〈レモンソース〉 
サワークリーム‥‥‥‥‥‥‥‥‥250グラム
レモン果汁‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1個分
塩、こしょう‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ともに適量
〈仕上げ〉
ゴルゴンゾーラチーズ‥‥‥‥‥‥‥300グラム
サラダ菜‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥適量
【製法】
〈子牛肉カツレツ〉
(1)子牛肉を薄くスライスする
(2)パン粉、溶き卵の順に衣を付ける
(3)フライパンにオリーブオイルを入れて[2]をこんがりと焼く
(4)[3]にレモン果汁を加え、塩、こしょうをふる
(5)冷ましてからラップをして冷蔵庫で保存。
〈レモンソース〉
(1)子牛肉カツレツを作ったフライパンに、レモン果汁を入れ、肉を焼いたときにフライパンに付いた焦げつきを溶かし込む
(2)[1]にサワークリームを加えて弱火で煮詰める
(3)[2]に塩、こしょうをふるう
(4)冷ましてからラップをして冷蔵庫で保存
〈仕上げ〉
(1)パニーニを4分の3にカットして開ける
(2)レモンソースを塗る
(3)子牛肉カツレツとゴルゴンゾーラチーズを交互にのせる
(4)サラダ菜をのせる
(5)パニーニを閉じる
※出来上がった製品はラップをして、冷蔵ショーケースに並べておいて、お客の注文を受けたらグリルベーカーで焼く。この際、中の具まで熱くする必要はない。その場で提供出来るのがよい。

レモンのヴィエノワズリー
【配合%】
ブション(フランスパン用粉)‥‥‥‥‥‥60
ドヌール(フランスパン用粉)‥‥‥‥‥‥40
全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
生イースト‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
オリーブオイル‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
辛口白ワイン‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6
【工程】
ミキシング‥(1)小麦粉、塩、生イースト、全卵の入ったミキサーボウルに準備しておいた▼シロップの4分の1を入れて捏ね始める(生地は硬め)(2)低速でミキシングを行いながら、残りのシロップを少しずつ入れる(生地とシロップがよく混ざったらまたシロップを加える方法をとる。生地表面が滑らかになったら終了)(3)オリーブオイルと辛口白ワインを加え、捏ねて生地をまとめる。ミキシング時間は、合計で約40分
一次発酵‥‥‥‥‥25度C75%2時間(常温)
分割‥‥‥‥‥‥‥200グラム(ひし形に丸める)
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥‥26度C1時間
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1)生地を麺棒で平らに伸ばし、30分休ませる(2)スケッバーで生地に3つ深めにカット
を入れる(3)ベーキングシートに置く。
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥25度C75%30分
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火240度C下火240度C9分(高温短時間なので柔らかく、しっとりとした状態になる)
仕上げ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1)数分間網の上で粗熱を取った後、レモン果汁でグラサージュする(2)パンが冷めてから粉糖をふるう。
▼シロップ
[配合グラム](前日仕込み)
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥250
無塩バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥200
全乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥300
レモンの皮‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2個分
[作り方]
牛乳と砂糖を温めた後、無塩バターとレモンの皮を加えて放置し、香をつける。

原価計算女王
原価計算女王
アーモンドのお菓子
【配合グラム】
<アバレイユ(ソース)>
マジパン(砂糖とアーモンドを1対1で練ったもの)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥320
全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥315
小麦粉(フランスパン用粉か薄力粉)‥‥60
ベーキングパウダー‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
バター(無塩)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
オレンジの皮‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1個分
【工程】
<アバレイユ(ソース)>
(1)マジパンに全卵を少しずつ加え空気を含ませながら均一に混ぜる(卓上ミキサー使用)
(2)バターをオレンジの皮とともに溶かす
(3)小麦粉をベーキングパウダーとともにふるう
(4)◇リュバン状になるまで混ぜた[1]に、少しずつ小麦粉を混ぜる
(5)[4]の一部と[2]を混ぜる。次に残りの[4]を加えて混ぜ合わせる=[4]を一度に加えると、生地がしぼんでしまうので、少しずつ加える
(6)底にスライスアーモンドを敷いた直径140ミリ、高さ45ミリの製菓用セルクルに[5]を流し込む(セルクルには事前にバターを塗り小麦粉をふっておく)
(7)焼成はコンベクションオーブンで180度C15分
(8)焼成後、▼シロップを塗布
(9)製品をひっくり返して完成
◇リュバン状=泡立て器で十分泡立てて砂糖と卵に粘りをだし、生地がリボンのように切れ目なく折り重なって流れる状態のこと。
▼シロップ
[配合グラム]
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥150
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
グランマルニエ(オレンジのリキュール)‥10


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