
店舗正面のガラスばりの面には、パンのモノクロ写真のパネルが掲げられている。

故福田元吉氏が作っていたものを忠実に再現した「バタール」(250円、左)とライ麦粉を5%配合した「バタールポラリス」(290円)

ドライパイナップルとココナッツが入った「パイナップルココ」(210円)

ドライパイナップルとココナッツが入った「パイナップルココ」(210円)

「マンゴーメロンパン」(180円)。メロンパンは日替わりで違う商品が出る。

ドライトマトとオーリブを練り込んだ「ファルファンラポモドーリ」(200円)

店の一角にはワインがさりげなく陳列されていた。
小倉さんは、パン作りは、粉の味と香りを引き出すことに尽きると感じている。
小倉さんが師と仰ぐ故福田氏は、香りを引き出すために、小麦粉と種の研究に熱心だった。「1に粉、2に種、3に技術」が口癖だった。「いい粉を見つけて、その特徴を引き出してやることが大事だ」といつもいっていたという。
「インターネットで、うちの店を批評しているブログなどをよく見つけます。この間、当店のパンについて『長時間発酵だからこういうパンになる』と書いていた人がいました。まさにその通りです。最近は多くのベーカリーが長時間発酵をとり入れていますが、発酵の根本がわかっているかどうかで違いが出てくるように思います。また、丸めや成形などの基本的な技術一つ一つが積み重なって、最終的なパンができるわけですから、我流でやっている人と、基本を叩き込まれた人との差は大きいのだと思います」
ポラリスでは、長時間発酵による深い味わいの食事パンを強烈に打ち出し、さらにスイーツパン(ヴィエノワズリーや創作菓子パン)なども積極的に作っている。
カフェのスペースでは、午前11時から午後2時まで、ランチブッフェを提供している。コーヒーと日替わりのスープ、パンがついて840円。パンは食べ放題だ。
「子供だけでテーブルを占有してしまったり、走りまわって騒いだり、お母様が子供にパンを好きなだけ食べさせるためだけに来店したりするケースが見られたので、あくまで、ゆっくりとくつろげる空間を提供することが目的なので、カフェを利用する際のルールを書いた貼り紙を出しました。ほかのお客様に迷惑になるので、マナー違反をするお客様には毅然とした態度で臨むことが最良の策です。事実、貼り紙を出してからは、マナー違反のお客様はかなり少なくなりました」
小倉さんは、立川のムッシュイワンで、パンについてのカルチャースクール的なイベントを定期的に開いてきたが、ポラリスでも積極的に行っていきたいと考えている。
「例えば、ワインの先生をよんで、ワインと当店のパンを味わいながら、ワインについての知識を深めていただく『ワインの夕べ』みたいな企画をやっていきたいですね。それと、クラシック音楽の生演奏を聴きながら食事会なんかもいいと思います。地元の人たちとの交流を深めながら、食について共に勉強していけたらいいなと思っています」