
ポーリッシュ法で作る「バゲット・ニコラ」(左)。小麦粉の旨味が最大限に引き出されている。右は「バゲット・フラメ」

パン ダーチザン ニコラオーナーの杉山洋春さん

店内は、「ニコラカラー」と呼んでいる独特の赤を基調色として使用。
「ある講習会に参加して、ポーリッシュ法のフランスパンをやっていて、それがとても香りがよく、おいしかったんです。これだ、と思い、帰ってすぐに作ってみました。しかし、多分本捏のときにイーストを入れ忘れたのだと思いますが、生地がべとべとになってしまい、失敗したかなと思ったのですが、焼いてみると窯からなんともいえないいい香りがして、焼き上がった製品を試食してみると、すごくおいしかったんです」
Pain D’artisan Nicolas(パン ダーチザン ニコラ)のオーナー、杉山洋春さんは、自信作「バゲット・ニコラ」(180円)が商品化されたいきさつについてこう説明する。
このいわば失敗作の味と香りのよさに驚いて、味と香りはそのまま生かして、改良に改良を重ねた結果出来上がったのが「バゲット・ニコラ」なのだという。
イーストの配合量は、全体の粉に対して0・1%と極端に少ない。長時間発酵させることによって、粉自体の力で、生地を作らせるようにするのだという。
「ボリュームばかりを出そうとすると、味が薄くなります。ポーリッシュ法は、生地の水和が進んで、味と香りを出しながら生地がひとりでに出来ていくという感じです」
前日にポーリッシュ種を仕込み、一晩熟成させたあと、次の日の朝、本捏からスタートすれば、2時間で焼き上がる。味と香りは、ポーリッシュ種の中にすでにぎっしりと詰まっているのだ。
「ストレート法だと、仕込んでから焼き上がりまで6時間弱はかかりますので、朝一番で店頭に出すには、相当早くら作業を始めなければなりません。この意味で、ポーリッシュ法は、労働条件改善のためにも適した製法といえます」(杉山さん)
「バゲット・ニコラ」のほかに、同じ生地から、「バタール」(180円)、「バゲット・フラメ」(180円)も作っている。バタールは、パンの中身が好きな人のための、バゲット・フラメは、パンの皮が好きな人のための商品だという。
パン ダーチザン ニコラは、2003年6月に茨城県水海道市(現常総市)にオープン。2006年に茨城県守谷市の「アクロスモール守谷」内に移転し、リニューアルオープンした。
「自分が作っていて楽しく、自分が食べておいしく、顧客が食べておいしいパン」だけを作ることを信条として、営業してきた。現在は、都内への出店も検討中だ。
パン教室も主宰していて、およそ100人が杉山さんの指導のもとで、パン作りを学んでいる。また、杉山さんのパンとそのレシピを掲載した本が近く出版される予定だ。
▽パン ダーチザン ニコラ 茨城県守谷市松ヶ丘6丁目6‐1アクロスモール守谷内、電話0297‐21‐8132