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業界アンテナ/2006年12月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
食型・天板 事情 | |
パン作りには欠かせない食型や天板。昔ながらの焼き込み天板や、シリコンをコーティングしたもの、フッ素樹脂加工を施したものなど、様々な種類の食型や天板が使用されているが、天板・食型のメーカーでもあり、輸入業者でもあるパシフィック洋行の湯澤忍・機械部主任に、日本の食型・天板事情について、話を聞いた。
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今後のカギは食型・天板の軽量化
――日本の食型・天板市場の特徴は。
湯澤 私どもは、食型や天板、焼き菓子用の型など、様々な焼き型を販売しております。大手製パンメーカー様にも、リテールベーカリー様にも販売しています。日本のベーカリーは、食パンの売上比率が高く、食パンにオリジナリティーを出したいというお客様が多いようですね。したがって、1斤のサイズを他とは違えたい、店のロゴを食パンの上面に焼き込みたい、などという要望が多くあります。特にリテールベーカリー様の場合は、食パンのサイズを一回り小さくして、価格が極端に高くなるのを防ごうという考えも強いように感じます。 ――食パンに店のロゴを焼き込むのは具体的にどのようにするのですか。 湯澤 食型の蓋の内側に店のロゴをプレスします。こうすることで、焼き上がったときに、食パンの上の面にロゴが浮かび上がります。リテールベーカリーをチェーン展開する会社などで多く採用していただいています。 ――食型や天板の寿命はどれくらいですか。 湯澤 私どもは、セラミックコーティングを施した食型や天板などを主に販売していますが、これだと、使用頻度にもよりますが、2年ぐらいでしょうか。セラミックコーティングの寿命がそれぐらいということです。従来のシリコン加工のコーティングだともっと短くなります。 ――セラミックコーティングとは何ですか。湯澤 フッ素樹脂にセラミックパウダーを混ぜ込んでコーティングするというものです。要するに、例えば食型の表面にセラミックをコーティングすることで、そこから遠赤外線が出て、パン生地の分子に電気的な共振を起こさせ、パン生地の自己発熱現象によって焼くというものなんです。よく石窯でパンを焼くと、遠赤外線効果で火通りがよい、というのと同じ理屈です。 ――パン業界で使われている食型や天板には、他にどんな種類のものがありますか。 湯澤 シリコン加工のものがあります。それと何もコーティングしていない「焼き込み天板」と呼ばれるものがあります。焼き込み天板の場合は、離型油を塗らないと焼き上がったパンがうまく天板から離れません。 ――現在はどの種類の食型や天板が主流なのですか。 湯澤 どれが主流というよりは、それぞれ特徴がありますので、うまく使い分けられている、といった方がいいと思います。例えば、フッ素樹脂加工の天板に油脂配合量が多い生地をのせて焼くと、すべりがよすぎて、天板に接したパン生地の綴じ目が開いてしまうことがあります。 ――今後の食型・天板に対する需要はどのように変化していくと思われますか。 湯澤 特に焼きたてパンを提供するリテールベーカリーにおいては、天板や食型の軽量化が求められていくのではないかと考えられます。現在はブリキやアルミ鋼板(アルタイト)などが材料として使われていますが、今私たちが注目している新しい素材があるんです。それを使うと、重量が30%程度軽くなるんですよ。 パン業界では、女性の現場進出が進んでいますが、高いところに持ち上げたり、高い場所から下ろしたりする天板や食型の軽量化は、こうした女性のパン職人の方々に喜ばれると考えています。 |

さまざまな種類の食型・天板を製造、輸入、販売 | |
パシフィック洋行では、様々な焼き型や天板などを取り扱っている。
遠赤セラミックダブルコーティングを施した食型などは、焼成中に遠赤外線を放射し、焼きむらのないパンを焼き上げるという。熱効率が20%程度向上するのもメリットだ。 火抜け、すだちがよく、焼き色が綺麗なパンができる。クラムはしっとり感があって、ふっくらと焼き上がる 。 離型油を使わなくてもパンが焼けるのも特徴だ。 遠赤セラミックによる放射焼成の場合、熱がパン生地に吸収され、パン生地中の分子に電気的な振動を起こして、自己発熱現象を起こさせるという。 型の品揃えも豊富で、食型や天板のほか、イングリッシュマフィン型、パンドリーナ型、シュトーレン型などがある。 テフロンコーティングの食型・天板も扱っている。 天板は、「6取天板」と呼ばれる530ミリ×380ミリのものと、「ヨーロッパタイプ」と呼ばれる600ミリ×400ミリのもの。このほか、ラウンド食パン用の型などがある。 また、「シリコンフレックス」と呼ばれるイタリア製の型の輸入販売も行っている。シリコン製で、重量が軽いのが特徴だ。耐久性にも優れており、持ち運びに便利だ。 問い合わせはパシフィック洋行(電話03‐5642‐6081)へ。 |


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