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| 講習会／2024年3月号 |
2023年11月18日から、発行から１年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| ｢全粒粉の湯種｣と｢多加水の生地｣がテーマベーキングセミナー デモ＆トーク（関東商事） | ||||
講習会主催者の話 今回の講習会のキーワードは２つある。「全粒粉の湯種」と「多加水の生地」だ。近年、消費者の健康志向、グルメ志向が増大している中で、全粒粉は非常に食物繊維が豊富で、低ＧＩの食品として注目されている。全粒粉を入れることで見た目が非常においしそうに見えるというメリットもある。 一方で、パンにするとえぐみが出たり、パサつきがあったり、劣化が早かったりと、デメリットもあるが、全粒粉を湯種にすることで、全粒粉のデメリットを抑えて、その良さを最大限に引き出すことができる。 「多加水の生地」も近年非常に注目されていて、導入している店も多いと思うが、水がいっぱい入るということで、生地原価が安くなるという大きなメリットがある。ただ、水をいっぱい入れさえすればいいというものではなく、特別な技術が求められたり、特別な製法が必要だったりする。 | ||||
| 全粒粉湯種ブレッド | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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配合
工程
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| 全粒粉湯種ブレッドを使ったサンドイッチ | |||||||||||||
【使用材料】 全粒粉湯種ブレッド３センチスライス からしスプレッド フリルレタス マヨネーズ ローストビーフスライス オニオンスライス ブラックペッパー ベジタブルサンド 【使用材料】 全粒粉湯種ブレッド３センチスライス マーガリン フリルレタス スライストマト スライスきゅうり オニオンスライス ブラックペッパー ＢＬＴサンド 【使用材料】 全粒粉湯種ブレッド３センチスライス フリルレタス 塩味乾燥ベーコン スライストマト スライスたまご 具沢山シーザーサラダ（既製品） エダムチーズ 生ハムとカマンベールはちみつ 【使用材料】 全粒粉湯種ブレッド（プチパン） 生ハム はちみつ エクストラバージンオリーブオイル 無塩バター カマンベールチーズ ルッコラ | |||||||||||||
| 具材とパンの種類の両方の彩りが重要
小川講師の話 私は色々なパンに全粒粉の湯種を使っている。バゲットの生地には、オートリーズを取った後に全粒粉の湯種を入れる。全粒粉の湯種は全粒粉１に対して熱湯を２加える。１対１だと、捏ね上げの温度が６０度ぐらいにしかならないが、１対２だと７０度近い捏ね上げ温度になり、しっかりとアルファー化される。Ｆナポレオンで作るフランスパンにも入れるようになった。こちらもオートリーズを取った後に入れる。塩バターロールにも入れている。
２０％の全粒粉なら、５キロ練るなら１キロが全粒粉ということになる。その全粒粉の湯種には倍の２キロの熱湯が入っているので、全粒粉の湯種が入ることでかなりの多加水になる。これによって、生地単価も安くなるし、全粒粉のパンの美味しさも打ち出せる。クラムに全粒粉のプチプチが見えるが、フランスパンに入っている分には何の問題もないと思う。 今回紹介している全粒粉湯種ブレッドは全粒粉が３０％で、吸水量が９５％だ。 全粒粉のパンでサンドイッチを作ると、サンドイッチショーケースに色合いが出てくる。店に出すサンドイッチの半分の量を全粒粉のパンで作ってほしい。そうすれば、角食の白と全粒粉の茶色が目立って互いに引き立つと思う。具材の彩も大事だが、土台のパンの彩も大事だ。それと、ひとつの生地を練ったら、その生地のパンから最低５〜６品目は作ってほしい。 全粒粉の湯種を使うようになったことによって、多加水のパンが多くなった。湯種は、熱湯が粉の倍量入ることがポイントだ。湯種を使わず、普通に吸水だけを増やすと、扱いにくい生地になってしまうが、湯種を介して加水することで、多加水でしかも扱いやすい生地が得られる。 パンの値上げをしていっても、どこかで限界の境界線があると思う。それ以上値上げしたら、みんな買わなくなるというリミットがあるように思う。そう考えた時に、生地の単価を下げることで値上げしなくても利益を確保できるようにすることは的を得ている。 |
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