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| 連載／2022年6月号 |
2023年11月18日から、発行から１年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 各従業員に目標を与え、その達成度合いを評価する - 私の販売集大成ノート(21) | ||||
人は仕事を通して他者から認められ必要とされることを願っている。それが果たせた時、遣り甲斐や誇りが持て、且つそれが自信に繋がり、自分の成長へと結び付ける事が出来る。 人材とは役に立つ人物の事を言う。そうした人を「財産である人」と言う意味で「人財」と呼ぶ事もある。人材は社内で創り出す事が出来る。教育、訓練、自己啓発等により社員の知識や技術を高める事が出来る。 多くの企業は仕事に必要とされる能力を持った人材を内部努力により育成して対応してきた。ポンパドウル在職中、管理職や経営幹部が外部から参入する事は一切なかった。しかし人材育成の為には実に多くの費用と時間が費やされた。特に課長に対しての教育に力が注がれた。理由は課長の力量が経営に大きく影響する為であると幾度となく説明された。私もそんな中で、叩き上げられたのだが、そうした状況に時には愚痴りながらも遣り甲斐を感じていた。 業績数値の達成度合いで判断する成果主義 私が販売課長だった１９８５年前後もポンパドウルは成長を続けていた。それはまた内部における競争の時代でもあった。企業内部で競争があることは健全である。当時の経営方法は業績数値の達成度合いで判断する成果主義であった。そこでは当然競争意識が働いた。業務遂行の軸は数値目標による管理に置かれ、何よりも数値を最優先した。期首に課長を中心に担当店舗個々の目標を立て、業務を遂行して達成を目指した。 成果主義は部門や個人の目標が明確になるメリットがある反面、短期の成果に走る傾向となり、長い目で人材を育てることの優先順位が後退した。また数値さえ達成すれば善しとする考えからルールを逸脱する行動を誘発する可能性を含んでいた。 評価基準を明確化し周知徹底する必要性 競争はスタートの段階で格差があってはならないし公平性が必要である。この事は如何なる競争においても重要な留意点である。目標の達成度合い（実績）を評価する時、評価基準に納得性があり明確で周知徹底されている必要がある。また成果は個人の報酬に反映されなければならない。「誰が誰を評価するのか」を明確にする事も重要である。在職中同業他社の販売担当者から「誰が何処で何を何時評価しているのか私達は誰も知らない」と聞いた事がある。あの会社はその後どうなっただろうか。 組織全体が目指す成果を個人の目標に割り振る 企業目標→組織目標→個人目標の流れで企業組織の目標は設定される。能力のアビリティ（Ａ）と開発のデベロップメント（Ｄ）から、ポンパドウルでは「ＡＤ目標」と称する能力開発制度があった。組織全体が期待する成果を個人毎の目標に置き換えて設定する。個人目標を全員が達成すれば組織が目指す目標を結果として達成出来るという考えである。 個人の「ＡＤ目標」は期首に担当上司と面接して合意を経て設定された。目標は三項目から二項目が望ましい。目標の進捗状況を確認する為のＡＤ面接が中間期に実施された。期末には個人と担当上司が面接して互いの評価の擦り合わせを行った後に最終評価が決まった。勿論その結果は報酬に反映された。もし当該期に目標達成できなかった場合でも再度次期の目標にすることが出来た。 神奈川県町田市の市役所での人材評価事例 私が住む神奈川県町田市の市役所で「ＡＤ目標」に類似した制度を導入している。２０２１年度部長の「仕事目標」の取組項目と、成果に対しての評価結果が広報紙で公開された。総務部長の例を紹介すると、以下のようになる。仕事目標は一つ目が「有用な人材の確保」で評価はＢ、二つ目が「定数管理計画の策定」で評価はＣと言うものだ。他の十数名の部長の評価内容も公開された。評価基準は五段階でＡは「目標を大幅に上回る成果が出た」、Ｂは「目標を上回る成果が上がった」、Ｃは「目標水準を達成した」、Ｄは「成果が不十分である」など。評価は市長も確認している。こうしたことも、あなたの店舗に即して活用できるので実施をお勧めしたい。 望月 康男 販売アドバイザー。1946年神奈川県川崎市生まれ。東京都町田市在住。趣味は、ドライブ、登山、ビデオ撮影、映画鑑賞。1978年9月、株式会社ポンパドウル入社後、町田店、六本木店、伊勢佐木町店の販売マネージャー。1985年1月販売課長。1989年6月販売部長。1996年12月取締役販売促進部長。2001年10月取締役広報宣伝部長。2007年2月〜2010年1月顧問。全店の接客、品質、クレンリネス、品揃えの改善点をアドバイス。株式会社ポンパドウルの成長期、成熟期に販売関連業務に携わる。 | ||||
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