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| ブランスリー新聞／2022年1月号 |
2023年11月18日から、発行から１年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| ｢ホシノ酵母の基本講座｣と題してＺｏｏｍ講習会 - 星天会 | |||||||||||||
◇ ホシノ天然酵母パン種の原材料は、小麦粉、米、麹、酵母の４つで、すべて国産のものです。小麦粉、米は、北海道産になります。味噌、醤油、酒、味醂（みりん）、酢は、麹と酵母を主原料にした日本の伝統的な食品ですが、ホシノ天然酵母パン種も麹と酵母を原料とした発酵種になります。 ホシノ天然酵母パン種は麹が入っているのが大きな特徴になります。麹は酵素の宝庫で、酵素の役割は、小麦粉のたんぱく質やでんぷんを分解し、ブドウ糖やアミノ酸を生成し、醪（もろみ）成分を醸成することです。 ホシノ天然酵母パン種は、日本酒の発酵方法を応用しています。つまり、酵素がでんぷんを糖化して、酵母がそれを餌にして、発酵を行います。糖化と発酵が同時並行に行われる発酵形態を「平行複発酵」といいます。 私たちはホシノ天然酵母パン種を使用したパンのおいしさを「熟成の旨味」という言葉で表現しています。その具体的な内容は次の三項目に集約されます。 一つめは、時間をかけて小麦粉と水をしっかりと水和させることで、パン生地の保水性が高まり、食べた時のもっちり感としっとり感が出て、スライスした時の断面の艶のある感じが出てきます。 二つめは、麹が小麦粉のでんぷんを甘味（ブドウ糖）に変えて、たんぱく質を旨味（アミノ酸）に変えることで、パンに独特の味を出すということです。 三つめは、酵母が発酵することで、その生成物による香りや風味が醸成されることです。日本酒には吟醸香がありますが、ホシノの種からも吟醸香が検出されています。 次に生種の作り方を紹介します。まず、生種を入れる容器や計量カップなどは消毒をしてしっかり洗って乾かしてから使用します。 生種の材料は、ホシノ天然酵母パン種が１、温水が２の割合になります。温水にパン種を溶かすようにして均一に混ぜます。混ぜた後の温度は必ず28度Ｃになるようにします。温水の温度を30度Ｃにすると、捏ね上がりの温度が28度Ｃになります。必ず温度計で計って記録を取っておくようにします。 混ぜた後は保冷温庫等の温度を28度Ｃに設定し、その中で24時間かけて酵母をしっかりと育てていきます。その後は、冷蔵庫（４度Ｃ）で保管します。作業は非常に簡単ですが、注意する点は生種が30度Ｃ以上にならないようにすることです。夏場は気温が30度Ｃ以上になって過発酵になりがちです。逆に冬場は、気温が20度Ｃなどと低くなって発酵不足になりがちなので注意が必要です。生種作りがうまくいかないと、そのあとの工程で挽回することは難しいので、生種はしっかりと作っておくようにします。 酵母をしっかりと育てることが大切だと言いましたが、これは酵母の数を増やすことを意味します。ひとつの酵母から出芽という形で子供が生まれて、それが大きくなって最終的に２つの酵母に分裂するというのが、酵母が増えるメカニズムになります。これは酵母が行う発酵とは別のものです。生種作りの工程では、発酵よりも酵母を増やすことが大事ですので、酵母の分裂が最も活発になる28度Ｃを維持し、24時間置くことが重要になってきます。30度Ｃ以上では、発酵は活発ですが、酵母は増えていない状態になってしまいます。 | |||||||||||||
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