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| レポート／2008年10月号 |
2023年11月18日から、発行から１年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 自分がおいしいと思うパンを自然体で作り続けてきた - ザクセン | |
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東京・板橋区に本社があるザクセンは、内麦や天然酵母などを使用し、「不必要に味付けしないパン」を作り続けてきた。主に自然食品店や生協などへの卸販売を行っている。中村謙介社長は、自らのビジネスを「台所代行業」と称する。
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| パンも本来は、家庭の台所で作るべきもの | |
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「自分にとっておいしいパンを作っていたら、そのパンを買ってくれたのが、自然食品店や生協だった、ということなんです。そして、そうしたお客様の要望に応える形で、原材料を精査していった結果、現在の当社の商品ができ上がった、ということなんです」
東京・板橋区に本社があるザクセンの中村謙介社長は淡々とこう話す。 「ご飯を炊いたり、料理を作ったりするように、パンも本来は、家庭の台所で作るべきものだと思うんです。そのパンをたまたまうちが代わりに作って差し上げているという感覚なんです。だから、私たちは、台所代行業です」 ザクセンは、東京・板橋区で、１９８４年に創業。当時としては珍しかった「不必要に味付けをしないシンプルなパン」（中村社長）の生産を開始した。 化学物質を使用していない、できる限り自然な原材料を使用したパン作りが、自然食品店や生協などの目に留まり、こうしたユーザーに販売するようになっていった。 中村社長にとって、内麦や天然酵母を使ったパン作りは「ごく当たり前のこと」なのだという。つまりそれしか行ってきておらず、ほかの方法でのパン作りは知らないのだ。 「私は、イーストもイーストフードも使ったことがありません。ですから、それらについてどうこう言うことはできません。まったく知らないわけですからね。だから私は、パン業界の一員というより、むしろ自然食業界の一員といった方がいいと思っているんです」 |
| ものにストーリーを付加して販売することが重要 | |
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「できる限り国産の材料を使っていきたいと思っています」と中村社長はいう。
「時間と空間という観点からも『地産地消』という考え方が重要だと思うんです。ものを移動させるということは、それだけで多大なエネルギーを消費します。アルチザンという言葉が一時注目されましたが、『必要以上に広範囲にものを流通させるための画一的な大量生産だけがすべて』という時代は終わったのだと思います。世界規模でいえば国ごとに、日本の国内のレベルでいえば各地域ごとに、ある一定のレベルまでは、自給自足できるような仕組みを作っていくことが重要なんじゃないかと思うんです。そして、情報は全世界、全日本で、共有していけばいいんじゃないかと思います」 一方で、中村社長は、ものにストーリーを付加して販売することが重要だと考えている。 「今の時代、ただものを作って販売していても駄目なんだと思います。ものに情報を付加できるかどうかが大事だと思いますね。うちのパンを買っていただくことによって、お客様の心も豊かにできるようなパンを、今後も作っていけたらいいなと思っています」 |
| 不必要に味付けをしないことが、基本方針 | |
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ザクセンは現在、東京・板橋区の本社工場のほか、埼玉県さいたま市美女木にも工場を持っている。生産能力は、本社工場が４に対して、さいたま工場が６の割合だという。
本社工場では、多品種少量生産を、さいたま工場では、少品種大量生産を、それぞれ行っている。 パンの品揃えは、およそ５０アイテムで、その中から注文のあったものを生産する。１日単位で考えると、製造するのはおよそ１０品目だという。 同ベーカリーで生産するパンのうち、およそ半分の量を占めるのが「食型に入れて焼くパン」だという。プレーン生地の「食パン」のほか、全粒粉が入った「全粒粉食パン」や、レーズンが入った「ぶどう食パン」、雑穀が入った「雑穀食パン」など種類は様々だ。 ザクセンのパンの特徴は、シンプルであることだ。「これも入れたら、おいしくなる」という発想ではなく、「これはこのパンに本当に必要なのか。入れなければもっとおいしくなるのではないか」という発想でパンを作っている。 「不必要に味付けをしないことが、うちの基本方針なんですよ」と中村社長は言った。 |
| ザクセン
本社＝東京都板橋区大谷口上町15-14、電話03-3958-4740
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